クロムは微量必須ミネラルです。グルコース代謝やインスリン感受性を調節します。体の必要以上にクロムを補給しても信頼性の高い結果は得られませんが、糖尿病患者には血糖値の調整や過食や鬱の軽減効果が示唆されています。
コンテンツ
概要
重要な効果・情報
クロムは必須ミネラルで、ごく少量が人間の健康に必要であるため、「必須微量元素」と呼ばれています。クロムには三価クロムと六価クロムの2種類があり、三価クロムは食品やサプリメントに含まれており安全です。六価クロム目は、皮膚疾患や肺癌を引き起こす可能性のある毒素として知られています。通常食事から補給されています。植物や穀物中に微量に含まれており、体内のインスリンを調節する働きがあります。
体内のインスリン作用を改善するために補給されることがあります。体内のクロムが正常または高濃度の人が補給しても、ほとんど効果は期待できないと考えられています。空腹時のグルコースを軽度に減少させ、過食やうつ病の軽減に効果があることが示唆されています。クロムが欠乏している場合は、クロムの補充によって効果が期待できると考えられていますが、どのような効果が得られるのかを確認するためにはさらなる研究が必要です。
不活性クロモジュリンを特徴とする真正のクロム欠乏症はまれにしか起こりません。クロムの主なメカニズムはクロモジュリンと直接関連していると考えられています。タンパク質であるクロモジュリンは、通常、インスリン受容体のシグナル伝達を増強します。このタンパク質が損なわれると、体内で働くインスリンの能力が大幅に低下します。クロムの補給は糖尿病患者に直接的な効果的ではありませんが、これ以外の治療法と並行してクロムを摂取することでうつ病や過食になどを防ぐのに役立つ可能性があります。クロムの体内での正確なメカニズムを決定するためには、さらなる研究が必要です。
適応・効果
適応情報
有効性の信頼度(高)
- クロム欠乏: クロムの経口摂取は、クロムの不足を防ぐのに有効です。
有効性の信頼度(中)
- 糖尿病:いくつかのエビデンスでは、クロムを含む化合物であるピコリン酸クロムを単独またはビオチンと一緒に口に投与すると、空腹時血糖値が低下し、インスリン値が低下し、2型糖尿病患者のインスリン作用が改善されることが示唆されています。ピコリン酸クロムは、スルホニルウレアと呼ばれる抗糖尿病薬を服用している2型糖尿病患者の体重増加および脂肪蓄積を減少させる可能性があります。クロムの服用量を増加すると、効果や即効性が向上する可能性があります。また、高用量での服用で、一部の人々の特定の血液脂肪(コレステロールおよびトリグリセリド)のレベルを低下させられる可能性もあります。初期段階の研究では、ピコリン酸クロムは、1型糖尿病患者、ステロイド治療によって糖尿病を患った人、および妊娠中に糖尿病を発症した人に同様の効果が持つ可能性が示唆されていますが、研究者はクロムが糖尿病の治療への有効性の有無について現在でも慎重に検討と議論を続けており、一部の研究者は、クロムサプリメントは栄養不良またはクロムレベルの低い人にのみ有益であると考えている人もます。糖尿病患者ではクロム濃度が正常値より低くなることがあります。別の研究者は、クロムは糖尿病やインスリン抵抗性の人の健康に役立つと考えています。
- 高コレステロールや高脂血症:いくつかの研究では、6〜12週間毎日15〜200mcgのクロムを摂取すると、高コレステロールの人の低密度リポタンパク質(LDLまたは「悪玉」)コレステロール、総コレステロールレベルが軽度に低下することが示唆されています。他の研究では、クロムを7-16ヶ月間摂取すると、トリグリセリドおよびLDLが低下し、高密度リポタンパク質(HDLまたは「善玉」)コレステロールが増加することが示唆されています。また、クロムを単独または他のサプリメントとともに服用すると、高血圧の人の血中脂質レベルが低下するようです。しかし、クロムを毎日10週間服用しても、閉経後の女性のコレステロール値は改善しないというエビデンスもあります。
効果がない可能性(中)
- 運動能力:筋力トレーニングに参加している間にクロムを摂取すると、体重が減少し、体脂肪が減少し、除脂肪体重が増加する可能性があるという初期段階のエビデンスがありましたが、信頼性の高い研究が行われ、クロムを経口摂取しても体の組成、筋力、除脂肪体重は有意に変化しないことが示唆されています。
- 過食症:研究では、ピコリン酸クロムを毎日6ヵ月間経口服用しても、摂食障害を抱える人の体重、うつ症状、過食の頻度に影響を与えないことが示唆されています。
- 前糖尿病:ほとんどの研究で、クロムを服用しても前糖尿病患者の血糖レベルはコントロールできないことが示唆されています。
- 肥満症:肥満に対するクロムの影響に関するエビデンスは相反しています。いくつかの限られた研究では、クロムが過体重または肥満人の減量に効果があることを示唆していますが、このような効果があったとしても、体重の減少量は臨床的に重要と言えるほどのものではない可能性があります。さらに、ほとんどの研究では、クロムの経口摂取では、体重が減少しないことが示されています。
- 統合失調症:研究によれば、毎日400mcgのクロムを3ヶ月間服用しても、統合失調症患者の体重や精神的健康に影響は見られませんでした。
エビデンス不足
- 加齢に伴う精神的退化:研究によれば、毎日1000mcgのクロムを12週間服用しても、軽度の精神的退化を伴う高齢者の記憶力やうつ病は改善されません。しかしながら、脳の画像では、クロムを摂取することで、記憶ゲーム中の特定の部位の脳の活動が増加することが示唆されています。
- HIV治療に伴う高血圧:初期段階の研究では、ニコチン酸クロムまたはピコリン酸クロムを毎日8-16週間服用すると、抗レトロウイルス療法を受けているHIV患者のインスリン抵抗性を低下させるのに役立つことが示されています。
- 非定型うつ病:初期段階の研究では、ピコリン酸クロムが非定型うつ病を持つ人の寛解率を改善する可能性があることを示していますが、他のエビデンスでは、このタイプのうつ病のほとんどの症状が改善されないことが示されています。
- 投薬によるコレステロールの異常:初期段階の研究では、毎日600mcgのクロムを2ヶ月間服用すると、ベータブロッカーと呼ばれる一連の薬剤を服用している男性の高密度リポ蛋白(HDLまたは「善玉」)コレステロールが増加することが示されています。
- 双極性感情障害:初期段階の研究では、塩化クロム600〜800mcgを2年間毎日服用すると、治療に耐性のある双極性感情障害患者の重度の気分障害の頻度を減らすことが示唆されています。
- 長期のうつ病(気分変調症):クロムは長期的に服用することで、軽度のうつ病の人の抗うつ薬への反応を改善する可能性があるという初期段階のエビデンスがあります。ピコリン酸クロムやポリニコチン酸クロムを服用すると、抗うつ薬に部分的にしか反応しない人の気分を改善できる可能性があります。
- 低血糖:初期段階の研究では、塩化クロムを3ヶ月間毎日服用することで、低血糖症患者の症状が改善され、血糖値が上昇することが示されています。初期段階の研究では、クロム(Biochrome、Pharma-Nord)を3ヶ月間毎日経口摂取すると、低血糖症患者の冷え、震え、失見当識などの症状が改善されることが示されています。
- メタボリック・シンドローム:初期段階のエビデンスでは、特定のクロム製品(Chromax、Nutrition21)を12週間毎日2回服用しても、メタボリックシンドローム患者の体重、胴囲、血糖値、コレステロール値に有意な影響は見られませんでした。
- 心臓発作(心筋梗塞):研究によれば、爪のクロム濃度が低いと、心臓発作のリスクが上昇することが示されています。しかし、爪からでは体内のクロムレベルを正確に測定できない可能性もあります。クロムサプリメントが心臓発作を予防できることを示す信頼できる研究はありません。
- 多のう胞性卵巣症候群(PCOS)として知られる卵巣障害:初期段階の研究では、クロムを摂取するとPCOSの女性のインスリン感受性や排卵率が改善する可能性があることが示されています。 1日あたり1000 mcgの用量が最も効果的と考えられています。低用量では、相反する結果が示されています。クロムは、PCOSの女性の妊娠率やテストステロンレベルには有意な影響を与えないようです。
- ターナー症候群(糖尿病につながる可能性のある遺伝性疾患):初期段階の研究では、クロムサプリメントがターナー症候群の人々の血糖や血中脂肪の処理を改善する可能性があることを示しています。
- ステロイド使用に関連する 高血圧症
- その他の症状
効果まとめ
効果まとめ表
効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。
レベル | 研究の質と量 ? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります. |
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二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。 | |
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。 | |
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。 | |
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。 |
研究の質と量 ? 信頼性の高いエビデンスの量(質の高いエビデンスの量が多いほど信頼性が増します) | 研究対象 | 効果の大きさ ? 研究項目に対する効果の方向性と度合い(項目の増加、減少、変化なしとその大きさを示します) | 研究の整合性 ? 研究結果は必ずしも常に一致するとは限りません。項目に対する結果の整合性を示します。 | 備考 |
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血糖値 | 非常に高い 29件の研究を見る | II型糖尿病患者のデータを見ると、インスリン感受性またはHbA1cに顕著な変化がないにもかかわらず、空腹時の血糖が軽度に低下するようです。 糖尿病でない人には有意な効果は示唆されていません。 | ||
脂肪質量 | – | 非常に高い 11件の研究を見る | クロム補給による糖尿病患者を含む被験者に脂肪量に有意な減少は見られませんでした。 | |
HDL-C | – | 非常に高い 17件の研究を見る | 現在までのエビデンスはクロムの補給による糖尿病患者のHDLコレステロールの改善を支持していません。 | |
HbA1c | – | 非常に高い 18件の研究を見る | 改善したという散発的な報告がある一方で、全体的には、糖尿病患者におけるHbA1cは有意な改善を支持していない。 | |
インスリン | – | 中程度 19件の研究を見る | インスリン感受性への影響と共通していますが、いくつかの研究では糖尿病患者の空腹時のインスリン濃度の低下が見られますが、信頼性はかなり低いです。 | |
インスリン感受性 | – | 中程度 17件の研究を見る | 原因は不明ですがインスリン感受性については信頼性の低いエビデンスが、クロムの補給によってインスリン感受性を軽度に上昇させる役割を持つ可能性があることを示唆していますが、大部分のエビデンスはインスリン感受性に対して有意な影響を示していません。 | |
LDL-C | – | 非常に高い 14件の研究を見る | 現在までのエビデンスは、II型糖尿病患者でもクロムの補給によるLDLコレステロールの低下を示していません。 | |
総コレステロール | – | 非常に高い 18件の研究を見る | LDLやHDLと同様に、クロムは、II型糖尿病被験者における総コレステロールレベルの改善に重要な役割を果たしていないようです。 | |
トリグリセリド | – | 非常に高い 17件の研究を見る | クロム補給は糖尿病患者を含む被験者の血清中のトリグリセリド濃度を低下させる役割はないようです。 | |
体重 | – | 中程度 33件の研究を見る | 健康な人や糖尿病の人にはクロムの補給で、体重への有意な影響はなく、糖質制限や食欲の低下がある場合には相互作用が起こる可能性がありますが、クロムの補給と関連しているかは不明です。 | |
食欲 | 高い 3件の研究を見る | 不適切な摂食パターンや炭水化物渇望を自己報告する人には食欲の低下が示唆されましたが、報告していない人には有意な効果はありませんでした。 | ||
うつ | 低い 5件の研究を見る | 限られたエビデンスで、クロムの補給が、抑うつ症状を助ける可能性が示唆されていますが、他の研究結果と整合性が取れておらず、予備的なエビデンスも限られています(標準療法と組み合わせることで、効果が更に向上することが示唆されています) | ||
脂質過酸化反応 | – 5件の研究を見る | 軽度ですが、非糖尿病の被験者の脂質過酸化の増加が認められ、ベースラインHbA1cが高い患者では減少が認められた。 脂質過酸化反応の調節効果を持つ可能性があります。 | ||
抗酸化酵素プロファイル | – | 高い 4件の研究を見る | 1件の研究でグルタチオンペルオキシダーゼの増加が報告されていますが、体内の抗酸化酵素(グルタチオン、SOD、カタラーゼ)に大きな影響はないことが示されています。 | |
血圧 | – | 非常に高い 8件の研究を見る | 大部分のエビデンスは、クロムの補給によってプラセボよりも血圧が有意に低下しないことを示しています。 | |
クレアチニン | – | 非常に高い 3件の研究を見る | クレアチニン(腎臓の健康のバイオマーカー)に対する影響は見られません。 | |
摂食量 | – | 高い 4件の研究を見る | 炭水化物渇望や摂食パターンの異常を自己報告する人には摂食量の改善に効果がある可能性が示唆されていますが、糖尿病患者やそれ以外の人の摂食量に有意な影響は見られません。 | |
除脂肪体重 | – | 非常に高い 8件の研究を見る | 運動習慣の有無にかかわらず、プラセボと比較して除脂肪体重の改善は見られませんでした。 | |
肝臓酵素 | – | 非常に高い 3件の研究を見る | 肝臓の酵素や肝臓の健康のバイオマーカーに影響は見られませんでした。 | |
筋力 | – | 非常に高い 5件の研究を見る | 一般人、アスリートのクロムによる筋力への影響は見られませんでした。 | |
vLDL-C | – | 非常に高い 4件の研究を見る | クロムの補給で糖尿病患者にvLDLコレステロールへの有意な影響は見られませんでした。 | |
過食 | – 研究を見る | クロムの補給で、過食症の軽減作用を示したが、統計的な有意性には達しませんでした。 | ||
フルクトサミン | 非常に高い 2件の研究を見る | フルクトサミンを評価する二件の研究では軽度の減少が見られました。 | ||
一般的な酸化 | 小さい | – 3件の研究を見る | 高HbA1cまたは多嚢胞性卵巣症候群の患者には抗酸化作用、HbA1cが正常な人の酸化促進作用を持つ可能性がありますが、基本的には有意な影響はなさそうです。 | |
免疫 | – 研究を見る | クロム補給をプラセボと比較してマイトジェン(増殖誘導因子)で刺激した場合に、リンパ球の増殖が1件の研究で示されています。 | ||
インスリン分泌 | 中程度 2件の研究を見る | エビデンス間で矛盾がありますが、クロムが食中のグルコースに対するインスリン反応の増加を引き起こす可能性があります(インスリンの急激な放出で血糖値の低下につながる可能性があります)。 | ||
乳酸産生 | 中程度 2件の研究を見る | 少なくとも1件の研究で、運動中の乳酸生成は、プラセボを用いた場合よりも600mcgのクロム補給した場合に増加しています。メカニズムは分かっっていません。 | ||
性欲 | – 研究を見る | 抗うつ作用の副効果として、クロムの補給で抑制されていた性欲が緩和され、プラセボと比較して増加しました。通常の人での研究はありません。 | ||
QTc 間隔 | – 研究を見る | 糖尿病患者の研究ではQTc間隔が短縮され、心臓保護効果が示唆されました。 | ||
アディポネクチン | – | 非常に高い 2件の研究を見る | プラセボと比較して血中のアディポネクチン濃度に有意な影響はない。 | |
嫌気性走力 | – | – 研究を見る | プラセボと比較して嫌気性の走行運動のパフォーマンスに有意な影響は見られませんでした。 | |
アポリポタンパク質 A | – | – 研究を見る | アポリポタンパク質Aとの相互作用は見られませんでした。 | |
アポリポタンパク質 B | – | – 研究を見る | アポリポタンパク質Bとの相互作用は見られませんでした。 | |
ビリルビン | – | – 研究を見る | 血清中のビリルビン濃度との有意な相互作用は見られませんでした。 | |
血流 | – | – 研究を見る | II型糖尿病のリスクのある人では、クロム補給はプラセボと比較して血流を改善しませんでした。 | |
C-ペプチド | – | – 研究を見る | インスリン分泌状態のバイオマーカーであるC-ペプチドに有意な影響は見られませんでした。 | |
C-反応性蛋白 | – | 非常に高い 2件の研究を見る | 炎症のバイオマーカーであるC反応性タンパク質に有意な影響は見られませんでした。 1件の研究では、PCOSの女性に有益な効果が見られました。 | |
細胞接着因子 | – | – 研究を見る | 非糖尿病性の肥満成人の細胞接着因子(ICAM-1およびVCAM-1)は、クロム補給による有意な影響は見られませんでした。 | |
好酸球数 | – | – 研究を見る | 健康な女性では、プラセボと比較してクロムを補充した場合の好酸球数の基準値に有意な影響は見られませんでした。 | |
脂質酸化 | – | 非常に高い 2件の研究を見る | 脂肪酸化(グルコースに対する脂肪酸由来のエネルギーの百分率)は、クロムの補給によって有意な影響を受けないことが示唆されています。 | |
卵胞刺激ホルモン | – | 非常に高い 2件の研究を見る | プラセボと比較して、PCOSの女性における濾胞刺激ホルモン(FSH)に対するクロム補給の有意な影響は見られませんでした。 | |
遊離テストステロン | – | 非常に高い 2件の研究を見る | PCOSの女性の遊離テストステロン濃度に対するクロム補給の有意な影響は見られませんでした。 | |
グリコーゲン数 | – | – 研究を見る | 炭水化物によって増加したグリコーゲン量は、クロムの補給によって変化しないことが示唆されています。 | |
グリコーゲン再合成 | – | – 研究を見る | グリコーゲン補充プロトコル(運動後)にクロムを補給すると、クロムはプラセボと比較してグリコーゲン再合成に有意な影響を示しませんでした。 | |
心拍 | – | 非常に高い 2件の研究を見る | クロム補給では、心拍数に対する有意な影響は見られませんでした。 | |
肝糖産生 | – | – 研究を見る | プラセボと比較して肝臓のグルコース生成率に有意な影響は見られませんでした。 | |
腎臓機能 | – | – 研究を見る | 高齢の老人のクロム補給による腎機能(陰性も陽性)に有意な影響は見られませんでした。 | |
黄体形成ホルモン | – | 非常に高い 2件の研究を見る | プラセボと比較してPCOSの女性の黄体化ホルモン(LH)に対するクロム補給の有意な影響は見られませんでした。 | |
リンパ球数 | – | – 研究を見る | プラセボと比較してクロム補給でのリンパ球数の基準値に有意な変化は見られませんでした。 | |
記憶力 | – | – 研究を見る | 老化に伴う記憶低下への有意な影響は見られませんでした。 | |
筋持久力 | – | – 研究を見る | 低用量のクロム補給は、訓練されたアスリートではプラセボと比較して筋肉持久力への影響は見られませんでした。 | |
好中球数 | – | – 研究を見る | 好中球数に対するプラセボと比較した有意な影響は見られませんでした。 | |
LDL の酸化 | – | – 研究を見る | プラセボ補充と比較した場合のLDL酸化速度に有意な影響は見られませんでした。 | |
蛋白尿 | – | – 研究を見る | クロム補給は、腎臓への損傷を与えるような毒性を持つことを示唆していません。 | |
レジスチン | – | – 研究を見る | レジスチンとして知られるアディポカインは、プラセボに対するクロムの補給の影響は見られませんでした。 | |
血中DHEA | – | – 研究を見る | クロム補給による、DHEAまたは硫酸化DHEAの血清濃度への影響は見られませんでした。 | |
性ホルモン結合グロブリン | – | – 研究を見る | PCOSの女性では、クロム補給による血清中のSHBG濃度への影響は見られませんでした。 | |
統合失調症の症状 | – | – 研究を見る | 低用量でのクロムの補給は、統合失調症患者の抗精神病治療への有効性に影響を与えませんでした。 | |
テストステロン | – | – 研究を見る | テストステロンは、PCOSの女性のクロムの影響は見られませんでした。 現在のところ、健康な男性でのエビデンスはありません。 | |
尿素 | – | – 研究を見る | 尿尿素とクロムの補給との間に有意な相互作用が見られませんでした。 | |
にきび | – 研究を見る | PCOSの女性のにきびが減少しました。 | ||
双極性感情障害の症状 | – 研究を見る | クロムの補給を受けた双極性感情障害患者では、うつ症状に対してのみ軽度の改善が見られ、躁病の症状には影響が見られませんでした。 | ||
多毛症の症状 | – 研究を見る | PCOSを有する女性における多毛症の症状が減少しました。 | ||
CD4 リンパ球 | – | – 研究を見る | CD4 +リンパ球の免疫調節作用は見られませんでした。 | |
DNA 損傷 | – | – 研究を見る | クロム補給後のDNA損傷を評価した研究では、影響は見られませんでした。 | |
新陳代謝率 | – | – 研究を見る | クロムの6ヶ月間の補給は、ベースラインと比較して代謝速度を変化させませんでした。 | |
プロゲステロン | – | – 研究を見る | PCOSの女性のプロゲステロンには影響は見られませんでした。 | |
プロラクチン | – | – 研究を見る | PCOSの女性のプロラクチンレベルに影響は見られませんでした。 | |
ウイルス負荷 | – | – 研究を見る | HIV感染者では、クロムを補給でグルコース処理率に影響を与えましたが、体内のウイルスレベルは変化しませんでした。 |
副作用
副作用と安全性
クロムは、安全範囲内の服用量で短期間服用された場合、ほとんどの大人にとって安全です。 1日当たり最高1000mcgのクロムの6ヶ月までの服用は安全であることが示されています。
成人の長期間服用の場合、最長2年間200-1000 mcgの用量を使用したいくつかの研究でも安全性に関する問題は報告されていません。肌の炎症、頭痛、めまい、吐き気、気分の変化、思考、判断、調整の障害などの副作用を経験する人も報告されています。高用量の場合は、血液疾患、肝臓または腎臓の損傷、その他の問題を含む、より深刻な副作用に関連している可能性があります。クロムがこれらの副作用の実際の原因であるかどうかは不明です。
特別な注意と警告:
- 子供:クロムは「適切な摂取量(AI)」レベルを超えない量で口に服用した場合、安全です。 0〜6ヶ月齢の乳児では、AIは1日0.2mcg、 7〜12ヶ月で5.5mcg、 1〜3歳の子供は11mcg、4〜8歳で15mcg、9〜13歳の男子は25mcg、 14〜18歳の男子で35mcg、 9歳から13歳の女子で21mcg、14〜18歳で24mcgとされています。
- 妊娠:クロムは妊娠中に「適切な摂取量(AI)」レベルを超えない量を経口服用した場合、安全です。 14〜18歳の妊婦のAIは1日当たり29mcgです。 19〜50歳の妊婦の場合30mcgです。妊娠中の女性は、妊娠中は健康指導者から指示がない限り、クロムサプリメントを服用しないでください。
- 授乳:クロムは「適切な摂取量(AI)」レベル以下の量で口で服用した場合に、母乳授乳中に使用することは安全です。 14〜18歳の授乳中の女性のAIは1日当たり44mcg、 19〜50歳の授乳中の女性の場合、毎日45mcgです。授乳中の場合、クロムを高用量での服用に関する十分な信頼できる情報はありません。安全のため高用量での使用は避けてください。
- うつ病、不安、統合失調症など:クロムは脳内に化学に影響を与え、精神疾患を悪化させる可能性があります。このような症状がある場合、クロムサプリメントを使用するときは気分の変化に注意して慎重に使用してください。
- クロム酸塩/皮革接触アレルギー:クロムサプリメントは、クロム酸塩や皮革接触アレルギーの人のアレルギー反応を引き起こす可能性があります。症状としては、皮膚の赤み、腫れ、鱗屑などがあります。
- 糖尿病:糖尿病治療薬とともに服用すると、クロムが血糖値を低下させる可能性があります。糖尿病の場合は、クロム製品を慎重に使用し、血糖値を注意深く監視してください。糖尿病治療薬の用量調整が必要な場合があります。
- 腎疾患:ピコリン酸クロムを服用した患者には、少なくとも3件の腎障害の報告があります。腎臓病がある場合、クロムサプリメントを服用しないでください。
- 肝臓病:ピコリン酸クロムを服用した患者に肝臓損傷の報告が少なくとも3件あります。肝臓病がある場合、クロムサプリメントを服用しないでください。
注意事項
相互作用
中程度の相互作用
- インスリン:クロムは血糖を低下させる可能性があります。 インスリンは血糖値を下げるためにも使われます。 インスリンとともにクロムを摂取すると、血糖値が低下しすぎる可能性があります。 血糖値を注意深く監視し、血糖値が低すぎる場合はインスリンの用量を変更する必要があるかもしれません。
- レボチロキシン(Synthroid):クロムをレボチロキシン(Synthroid)と反応させると、体が吸収するレボチロキシン(Synthroid)の量が減少する可能性があります。 これにより、レボチロキシン(Synthroid)の効果が低下する可能性があります。 この相互作用を避けるため、レボチロキシン(Synthroid)はクロムを服用する30分前または3〜4時間後に服用してください。
軽度の相互作用
- NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬):NSAIDは疼痛および腫脹の軽減に使用される抗炎症薬です。 NSAIDは体内のクロム濃度を上昇させ、副作用のリスクを高める可能性があります。 インドメタシン、ナプロキセン、ピロキシカム、アスピリンなどはNSAIDです。
用法・用量
科学的な研究で、以下の用量での研究が報告されています。
大人
経口摂取:
- 一般:クロムの安全な摂取量は分かっていませんが、クロムの毎日の適切な摂取量(AI)は確立されています。14〜50歳の男性で35mcg、 51歳以上の男性で30mcg;、19〜50歳の女性で25mcg、 51歳以上の女性で20mcg、14〜18歳の妊婦で29mcg、 19〜50歳の妊婦で30mcg、14〜18歳の授乳中の女性で44mcg、 19〜50歳の授乳中の女性で45mcgです。
- 糖尿病:2型糖尿病の場合、毎日1回または2回に分けて200〜1000mcgのクロムを使用しています。 また、クロム600mcg +ビオチン2mg /日などの組み合わせ製品も、3ヶ月まで使用されています。 さらに、1000mgのビタミンCと800IUのビタミンEと一緒にクロム酵母で1000mcgのクロムを六ヶ月間使用されています。妊娠している糖尿病の人では、4-8mcg / kgのピコリン酸クロムを毎日8週間使用しています。 コルチコステロイド薬の使用による高血圧の人では、1日1回400mcgまたは1日200mcgを3回が使用されています。
- 高コレステロールの場合、クロムクロライドやクロムピコリン酸塩としての50-250mcgのクロムや15-48mcgのクロム酵母が、週に5〜7日間、16ヶ月まで使用されています。 また、ブドウ種子抽出物100mgと共に200mcgのポリニコチン酸クロムを1日2回2ヵ月間摂取しています。 240mgのキトサン、55mgのガルシニア抽出物、19mgのクロムを含む特定のサプリメント1〜2カプセルを4週間毎日摂取しています。
子供
経口摂取:
- 一般:子供のクロムの安全な摂取量の上限は分かっていませんが、クロムの毎日の適切な摂取量(AI)レベルは確立されています。幼児の場合、0〜6ヶ月で0.2mcg、 7〜12ヶ月で5.5mcg、 小児の場合、1〜3歳で11mcg、 4〜8歳で15mcg、 男子の場合、9〜13歳で25mcg、14-18歳で35mcg、 女子の場合、9〜13歳で21mcg、 14〜18歳で24mcgとされています。
- 高コレステロールの場合:400-600 mcgのニコチン酸クロムと1000-1500 mgのグルコマンナンが1日2回8週間使用されています。