ターミナリア・ アルジュナ (Terminalia arjuna)は、樹皮が心血管系の保護のために使用される樹木です。胸痛や心不全の改善、血圧と脈拍数の減少や、有酸素運動能力を増加させることが示唆されています。
コンテンツ
概要
重要な効果・情報
ターミナリア・ アルジュナ (Terminalia arjuna)は、アーユルヴェーダにおける薬として心臓や血管の健康を目的に樹皮が使用されています。水抽出物500mgを1日3回（8時間ごと）に服用した場合に、毒性や副作用は観察されず、心臓の左心室機能が改善と、様々な生理活性作用が示唆されています。アルジュナの樹皮については比較的多くのヒトでの研究が行われていますが、その多くはサンプル数が少ないですが、水抽出物の服用で、最近心臓に外傷や傷害を受けた人の心機能の回復が示唆されています。心筋梗塞についても比較的多くの研究が行われています。健康な人を対象にした研究は1件のみですが、アルジュナは体力測定において左心室機能の改善に有効であり、その効果は健康状態に関係なく、効果があるとされています。動物実験では、抽出物の服用でエフェドリンやイソプロテレノールのようなベータ2アドレナリン作用薬やカテコールアミンなどの様々な心臓の傷害に対して心臓組織を保護することが示唆されています。
水抽出物は、特に左心室機能において、心臓血管の健康状態を改善するのに有効であることが示唆されています。 人間での研究は、現時点では十分とは言えず、健康な人を対象にしたエビデンスは一つしかありませんが、現時点でのエビデンスは矛盾がほとんどなく、確度が高いと言えます。 水抽出物は安全とされています。
エタノールやアセトンで異なる生物活性物を抽出した場合は、水で抽出した場合のような心臓保護作用は見られないようですが（ヒトでの研究はありませんが、インビトロ（試験管内での）のエビデンスでは、水以外の抽出物ではこれらの生物活性作用が見られないことが報告されています）、癌予防作用が報告されています。腫瘍増殖に関する動物実験ではエタノール抽出物や主な生物活性物質と考えられている単離されたアルジュナル酸で抗腫瘍作用が検出され、アルジュナの重量あたりビタミンCに匹敵する抗酸化作用によるアルジュナの抗酸化能力に起因すると考えられていますが、人での実験はまだ存在しません。エタノール抽出物は抗癌作用を持つ可能性がありますが、細胞へのダメージを与える可能性のあるLD50も検出されており健康な細胞でのエビデンスが不足しており、副作用が起こる可能性があります。アルジュナはその他に、1つの研究ではランチジンと同様の胃潰瘍の保護作用（エタノール抽出物）を示しており、抗酸化作用による肝臓や腎臓の保護（エタノール抽出物）や健康な人の心血管機能を向上させ、無酸素性のランニング能力を向上させることが示唆されています。
適応・効果
適応情報
有効性の信頼度(中)
- 胸痛(狭心症): いくつかの研究で、一般的な薬物療法と一緒に経口でターミナリアを服用すると、心臓発作後に胸痛を経験した人々の症状が改善されることが示されています。他の研究では、ターミナリアを服用すると、長期的な胸痛のある人の症状が改善され、胸部鎮痛薬の必要性が減ることが示されています。
- 心不全: 研究によると、ターミナリアを一般的な薬物療法と一緒に2週間経口投与すると、心不全患者の症状が改善されることが示されています。
エビデンス不足
効果まとめ
効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。
| レベル | 研究の質と量 ? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります. |
|---|---|
| 二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。 | |
| 2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。 | |
| 二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。 | |
| 上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。 |
| 研究の質と量 ? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります. | 研究対象 | 効果の大きさ ? それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています. | 研究の整合性 ? 科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています. | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| 短距離走能力 | ? 研究結果を見る | スプリントパフォーマンスを向上を示唆しています。肺機能の向上の二次的な効果であると考えられています。 | ||
| 左室駆出率 | 非常に高い 2件の研究結果を見る | 心血管疾患に苦しんでいる人の左心室機能の向上が示唆されています。この作用は心筋梗塞の患者だけに限定されないと考えられています。 | ||
| 僧帽弁逆流 | ? 研究結果を見る | 心臓合併症患者の僧帽弁逆流を軽減することが示唆されています。 | ||
| 筋力 | ? 研究結果を見る | スプリント能力だけでなく、筋力の増加も示されています。 | ||
| 心筋 | ? 研究結果を見る | 心不全患者がアルジュナを摂取した場合に、心臓重量の減少が認められました。 | ||
| 肝臓酵素 | ? | ? 研究結果を見る | 研究において肝酵素に有意な影響はみられませんでした。 |
副作用
副作用
副作用と安全性
アルジュナ(Terminalia arjuna)の3か月以内の経口服用、安全と考えられていますが、心臓や血圧に影響を与える可能性があるため、不安のある人は医師と相談してください。
ベレリカ(Terminalia bellerica)とチェビューラ(Terminalia chebula)の安全性は十分には分かっていません。安全性が確認されるまでは、使用を避けることをお勧め致します。
注意と警告：
妊娠中：アルジュナは妊娠中の使用が安全でないとするエビデンスがいくつかあります。ベレリカとチェビューラの妊娠中の安全性は不明です。 妊娠中はターミナリアの使用を避けてください。
授乳中：ターミナリアの母乳授乳中の安全性に関する信頼性の高い情報は不足しています。安全のため、使用を避けてください。
出血障害：ターミナリアは血液の凝固を遅らせる可能性があります。出血性疾患を持つ人々の挫傷や出血のリスクを高める可能性があります。
糖尿病：ターミナリアは血糖値を低下させる可能性があります。糖尿病薬を服用している場合は、調整が必要な可能性がありますので医師に相談してください。
手術：ターミナリアは血糖のコントロールを妨げ、手術中の出血のリスクを高める可能性があります。手術を計画する際には医師と相談し、予定された手術の少なくとも2週間前にターミナリアの服用を中止してください。
注意事項
その他の名称
- アルジュナ、モモタマナ、ターミナリア、Dhavala、Kakubha、Nadisarja、Veeravriksha、Partha、Indradru
注意点
- 水抽出物（心臓血管の健康に使用される）とエタノール/アセトン抽出物（癌予防および抗酸化目的のために使用される）は異なる物質で、異なる目的および目的のために利用されています。
分類カテゴリー
良い組み合わせ
- アシュワガンダ （Arjunaはそうではないパラメーターについて心血管機能に恩恵を受けるようであり、健康人における併用療法は、同時に効果的に摂取可能であることが示されている）
確認事項
用法・用量
用法・用量
研究では、以下の用量で研究が行われました。
経口服用：
胸痛の場合：一般的な胸痛治療とともに、アルジュナの粉末樹皮500mgを1日3回、3ヶ月以内で服用しています。
心不全の場合：一般的な心不全治療とともに、アルジュナの粉末樹皮500mgを1日3回、2週間以内で服用しています。
食べ物と一緒に服用することが悪いというエビデンスはありませんが、吸収性を考慮して食物なしで毎朝、心臓の健康のための標準的な用量はアルジュナ樹皮（または水抽出物）500mg程度のようです。心筋梗塞患者の場合は、1日に3回（8時間ごと）樹皮500mgの服用が標準と考えられています。葉抽出物および樹皮のエタノール抽出物は、細胞傷害や抗腫瘍効果を持つ可能性がありますが、これらの抽出物をヒトが摂取するのに有効な用量に関する十分なエビデンスはありません。