ジャノヒゲ[Ophiopogon japonicus]は、常緑多年草で、漢方ではバクモンドウとも呼ばれ生薬として使用されています。他の生薬と組み合わせて主に心血管合併症や炎症の治療、鎮咳・強壮などに使用されています。単体での効果に関する人間でのエビデンスはありません。
概要
重要な効果・情報
ジャノヒゲ[Ophiopogon japonicus]はユリ科の常緑多年草で、その根は漢方では麦門冬(バクモンドウ)とも呼ばれる生薬です。漢方では主に鎮咳・強壮などを目的に、温経湯、炙甘草湯、清肺湯、麦門冬湯などとして使用されています。予備的な研究では、抗酸化作用による長寿効果、神経の再生、卒中の軽減、抗糖尿病作用、血糖値やインスリンの改善などの効果が示唆されていますが、人間でのエビデンスはありません。
適応・効果
適応情報
ジャノヒゲ単体の効果に関する人間でのエビデンスはありません。
漢方での処方による適応情報:
- 温経湯:諸症(月経不順、月経困難症、帯下、更年期症候群、不眠症、神経症、湿疹、足腰の冷え症、しもやけ)により手足がほてり、唇が乾くもの
- 炙甘草湯:甲状腺機能亢進症、発作性頻拍、心臓神経症、特定の不整脈、軽度の心不全、肺気腫、気管支喘息、慢性気管支炎(比較的体力が低下し、動悸、息切れを訴える場合に使用されます。頻脈、不整脈、結滞、皮膚の栄養状態の低下、疲労感、手足のほてり、口渇、便秘などを伴うことが多いです)
- 清肺湯:過剰喀痰
- 麦門冬湯:過剰喀痰、気管支炎、気管支喘息
副作用
ジャノヒゲの安全性や副作用に関する信頼できる情報は十分ではありません。注意すべき副作用として、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸、食欲不振,胃部不快感などがあります。
注意事項
相互作用
下記の組み合わせに注意してください。
- 甘草含有製剤
- グリチルリチン酸およびその塩類を含有する製剤
慎重投与
- 著しく胃腸の虚弱な患者
- 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者
その他の名称
- リュウノヒゲ、麦門冬、バクモンドウ
確認事項
用法・用量
- 温経湯:1日あたり7.5g 構成(麦門冬・半夏各4g、当帰3g、甘草・桂皮・芍薬・川芎・人参・牡丹皮・阿膠各2g、呉茱萸・生姜各1g)
- 炙甘草湯:顆粒(1日9.0g 2~3分割 食前または食間)、細粒(1日15.0g 2~3分割 食前または食間)
- 清肺湯:1日あたり9g 構成(当帰・麦門冬・茯苓各3g、黄岑・桔梗・杏仁・山梔子・桑白皮・大棗・陳皮・天門冬・貝母・竹茹各2g、甘草・五味子・生姜各1g)
- 麦門冬湯:1日あたり9g 構成(麦門冬10g、半夏・粳米各5g、大棗3g、甘草・人参各2g)