スパイクナード(甘松香、ジャタマンシ)はアーユルヴェーダや漢方薬として利用されてきた鎮静剤です。ヒトでのエビデンスはありませんが、ラットでの研究では青少年における神経保護作用により学習を促進したり、膵炎に対する保護効果を持つ可能性が示されています。
概要
重要な効果・情報
スパイクナードは、アーユルヴェーダのハーブで、抗ストレス、抗けいれん、抗てんかん、認知向上など、バコパ・モンニエリと同様の作用が伝統的に主張されてきました。しかし、バコパとは違いスパイクナードはそれらをサポートするエビデンスはあまりなく、現時点では予備段階にあります。神経に関する研究では、健康な若いラットの認知を促進し、高齢のラットの認知を回復させることを支持しています。この研究は対照薬のピラセタムより優れて効果を示しましたが、認知機能を評価した他の研究では顕著な効果は見られませんでした。
スパイクナードの神経保護特性については結論を出すには不十分ながら非常に有望と思われるエビデンスがあり、強力な抗うつ効果も示唆されています。 興味深いことに、スパイクナードは脳のモノアミンを増やすにも関わらず、鎮静効果を示す珍しいハーブです。
脳以外にも、スパイクナードは一般的な抗酸化作用を持つことを示しており、生体外よりも生体内ではるかに強力な作用を示しており、体外の研究ではビタミンC以下の効果しかありません。 膵炎に対する保護にスパイクナードが効果があるとするラットでのエビデンスも存在します。神経に関連するエビデンスと同様に、これらについてもヒトでの研究は行われていませんが、十分に実現可能な用量で起こる可能性が高いことが示唆されています。
適応・効果
適応情報
スパイクナードの人への影響に関する科学的なエビデンスはありません。
副作用
スパイクナードの副作用や安全性に関する信頼できる情報はありません。
注意事項
その他の名称
- 甘松香、スパイクナルド、Spikenard、Jatamansi、Muskroot、Nardostachys grandiflora、Nardostachys jatamansi
混同しやすいもの
- Nardostachys chinensis (同じ属の異なる植物)
注意点
- スパイクナードは漢方では甘松香とも呼ばれ古くから利用されてきたハーブです。
服用方法
推奨用量、有効量、その他の詳細
ラットでの研究では、250-500mg/kgの根抽出物の使用が一般的で、ヒトでの用量に換算すると68kgの人の場合2,700-5,400mgとなります。
これらは、ラットの研究に基づいた推定値であり、実際に人間で最適となるかは分かっていません。