エクジステロイド[Ecdysteroid]は、昆虫のアンドロゲンホルモンです。昆虫の再生や脱皮に関与していますが、初期段階の研究ではアナボリックステロイドと同様の振る舞いをしたり、筋肉や筋量の増大、その他の健康効果が示唆されていますが、人間が摂取した場合に有意な影響を持つことを支持するエビデンスはありません。
コンテンツ
概要
重要な効果・情報
エクジステロイドは昆虫や水生生物、植物などに見られる化合物です。エクジステロンは、アンドロゲンと構造的に類似しており、ポリヒドロキシル化されたケトステロイドを始めとして様々な種類が存在します。植物や昆虫の成長因子として研究されており、接頭語の（ecdy-）は昆虫の脱皮過程（ecidysis）に由来しています。エクジステロイドには種類があり、一般的なエクジステロイドには「エクジソン」、「エクジステロン」、「ツルクステロン」、「20-ヒドロキシエクジソン」などがあります。これらの4種は一般的に研究されており、それぞれ効力や効果がわずかに異なりますが、総じて共通した特性を持ちます。この中ではツルクステロンが最も研究が少ないです。
経口摂取すると哺乳類でも生物学的作用があり、アンドロゲン作用のないアナボリックステロイドと同様の振る舞いをするとしている研究者もいます。 アンドロゲン作用がないため、安全性は同化性アンドロゲンステロイドよりもかなり高いと考えられています。人間でのエビデンスは、血中のテストステロンレベルへの影響を支持していません。
さらに、健康に関する様々な副効果を持つ可能性も示唆されており、エクジステロイドは、コレステロールと血糖を低下させ、タンパク質合成を促進し、肝臓や腸を健康にし、神経組織の保護作用を持つ可能性がありますが、人間でのエビデンスは肝臓の酵素やコレステロールの改善への影響を支持していません。
動物での実験でエクジステロイドの摂取による成長速度の増強が示唆されただけでなく試験管での実験でもヒトの筋線維が成長したというエビデンスがありますが、人間でのエビデンスはエクジステロンによる除脂肪体重や筋力の影響を支持していません。
適応・効果
適応情報
効果がない可能性(中)
- 筋肉の増強
- 運動能力の向上
- テストステロン値の向上
- コレステロールの抑制
- 肝機能の向上
- 神経保護作用
エビデンス不足
- 血糖値の抑制
- その他
効果まとめ
効果まとめ表
効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。
| レベル | 研究の質と量 ? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります. |
|---|---|
| 二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。 | |
| 2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。 | |
| 二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。 | |
| 上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。 |
| 研究の質と量 ? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります. | 研究対象 | 効果の大きさ ? それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています. | 研究の整合性 ? 科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています. | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| コルチゾール | – | – 研究結果を見る | エクジステロンの摂取によるコルチゾールへの有意な変化は見られませんでした。 | |
| リーンマス | – | – 研究結果を見る | 重量挙げプログラム中のリーンマスへの有意な変化は見られませんでした。 | |
| 肝臓酵素 | – | – 研究結果を見る | 測定された肝臓酵素（ALT、AST、GGT）への有意な変化は認められませんでした。 | |
| 筋力 | – | – 研究結果を見る | エクジステロイドによる筋力への有意な改善は認められませんでした。 | |
| テストステロン | – | – 研究結果を見る | エクジステロンによる血清テストステロンへの有意な変化は見られませんでした。 | |
| 総コレステロール | – | – 研究結果を見る | エクジステロンによる筋肉トレーニングを受けた男性のコレステロールに対する有意な影響は見られませんでした。 | |
| トリグリセリド | – | – 研究結果を見る | トリグリセリドへの有意な影響は見られませんでした。 |
副作用
副作用と安全性
エクジステロンが安全かどうかに関する信頼できる十分な情報がありません。
特別な注意と警告:
妊娠と授乳: 妊娠中や授乳中にエクジステロンを使用することについては十分には分かっていません。 安全のため使用を避けてください。
注意事項
その他の名称
- スマエキス、 ファフィアエキス、ブラジル人参エキス、ベータ – エクジステロン、ツルケステロン、エクジステロン
注意点
- エクジステロンは非刺激性です。
服用方法
推奨用量、有効量、その他の詳細
安全とされる使用用量は基本的には1日200mgですが、エクジステロンや植物由来のものの血糖抑制効果は用量に依存性を持つようです。ラットの場合、体重あたり5mg /kgの経口服用で同化作用を持ち、筋肉量が増加し始めることが示唆されています。