クレアチンの効果・副作用の科学的レビュー・口コミ

概要

重要な効果・情報

クレアチンは体内で作られる分子で、高エネルギーリン酸基をホスホクレアチンの形で貯蔵します。筋肉中に多く見られ、脳内にも存在していることが分かっています。 ホスホクレアチンは、ストレスを受けたときに細胞機能をサポートするためにエネルギーを放出します。 この効果は、クレアチン補給後の筋力の増加を促し、脳、骨、筋肉、および肝臓にも有益であることが示唆されています。 クレアチンの効果はこのメカニズムによるものが大半を占めると考えられています。

クレアチンは、肉、卵、魚などの食品に含まれています。 クレアチンの補給は、様々な健康上の効果があり、神経保護や心臓保護などの特性も示唆されています。 また、アスリートの筋力と除脂肪体重の両方を改善するために使用されています。

十分な水と一緒にクレアチンを補充しない場合に胃のむかつきが起こる可能性があります。 一度に多くのクレアチンを補給した場合には、下痢や吐き気はが起こる可能性があります。このような場合には、服用を複数回に分けて、食事と一緒に摂取すると副作用が軽減されます。

適応・効果

適応情報

効果の信頼性(高)

• 筋肉の増強 ：クレアチンの筋力向上若者から高齢者まで、筋トレと併用することで筋力が有意に向上することが示唆されており、筋力向上の効果を測定するための基準となっています。

効果の信頼性(中)

• 加齢に伴う筋力低下： クレアチンは筋肉トレーニングと併用してプラセボのトレーニングのみと食わべて、高齢者の筋力を改善することが示唆されています。しかし、クレアチンをトレーニングをせずに服用しても効果は無いことが示されています。
• 運動能力の向上： クレアチンは運動選手のジャンプの高さやサッカーのパフォーマンスをはじめとする運動能力を改善するのに役立つようです。しかし、スプリント、サイクリング、水泳のパフォーマンスなどではクレアチンの効果の度合いが異なるようです。効果の度合いが異なる理由は、研究の規模が十分でなかったんり、クレアチンの服用量が異なったり、パフォーマンスの測定方法がことなることに起因する可能性があります。
• アミノ酸代謝異常症(クレアチン代謝異常)： 体のクレアチン代謝に異常がある人の場合、脳内のクレアチン濃度が低下する可能性があります。脳内のクレアチン濃度が低いと精神機能の低下、発作、自閉症、運動障害の原因となります。毎日経口摂取することで、グアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ（GAMT）欠損症と呼ばれるクレアチン代謝障害を持つ小児や若年成人の脳におけるクレアチンレベルが上昇することが示唆されています。これによって、動きが改善したり、発作が軽減するのに役立ちますが、精神的能力の向上の改善は見られないようです。アルギニン – グリシンアミジノトランスフェラーゼ（AGAT）欠乏症は、別の体のクレアチン代謝異常です。この状態の子供は、クレアチンを8年間使用すると、注意力、言語能力、精神的能力が向上することが示唆されていますが、クレアチンを適切に体内で運搬できない障害を持つ小児の場合は、クレアチンを補給しても脳のクレアチンレベル、運動、精神機能を改善しないようです。
• テストステロン値の向上
• うつ病： クレアチンの経口摂取でうつ病の症状が改善することが示唆されています。初期の研究では、クレアチンを毎日8週間服用すると、うつ病エピソードを持つ女性の抗うつ薬エスシタロプラムの効果を高めることを示唆されています。
• 疲労感
• 筋強直性ジストロフィー の治療

効果がない可能性(中)

• 筋萎縮性側索硬化症（ALS、ルーゲーリック病）： クレアチンの経口摂取は、筋萎縮性側索硬化症患者の病気の進行を遅らせたり、生存率を向上させませんでした。
• ハンチントン病と呼ばれる遺伝病： 研究は、2年間毎日、クレアチンを口から採取しても、ハンチントン病患者の筋力、協調、または症状は改善しないことを示唆しています。

エビデンス不足

• 皮膚の老化： 初期の研究では、クレアチン、グアラナ、およびグリセロールを含むクリームを6週間毎日顔に塗布すると、男性のしわや皮膚のたるみが軽減されることが示唆されました。他の研究では、クレアチンと葉酸を含むクリームがしわを減らし、日焼けした皮膚を改善することを示唆されています。
• 肺疾患（慢性閉塞性肺疾患）： 慢性閉塞性肺疾患（COPD）患者におけるクレアチンの影響に関する研究は矛盾しており整合性がとれていません。いくつかの研究は、毎日摂取しても肺機能を改善しないことを示唆していますが、他の研究では、クレアチンを服用すると肺機能や運動能力が改善する可能性があることが示唆されています。
• 心不全： いくつかの初期の研究では、毎日5-10日間クレアチンを摂取すると筋力と持久力が改善するが、心不全の症状は改善されないことが示されている。 6ヶ月間毎日クレアチンの低用量を摂取しても、男性の運動能力や心不全症状を改善しないことが示唆されています。
• 糖尿病： 初期の研究では、クレアチンを5日間経口摂取すると、新たに診断された糖尿病患者の食後の血糖値が低下することが示唆されていますが、効果が無いという報告もあり整合性がとれていません。
• 線維筋痛症： 初期の研究は、5グラムのクレアチンを毎日4回5日間服用し、続いて毎日5グラムを16週間服用すれば、線維筋痛症の女性の体力を改善することが示唆されています。しかし、クレアチンは、線維筋痛症の人の有酸素運動能力、痛み、睡眠、生活の質、または精神機能には影響を与えないようです。
• 視力低下（網脈絡膜萎縮）：初期の研究では、これらの視力喪失に関連するクレアチン欠乏症をサプリメントの補給で改善できることを示唆されています。クレアチンを毎日1年間服用すると、眼の損傷や視力低下を遅らせるようです。
• 遺伝性神経障害（遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー）： シャルコー・マリー・ツース病などの遺伝性神経障害疾患に関する初期の研究では、1日から12週間の間、毎日口からクレアチンを摂取しても筋力や持久力に影響を与えないことを示唆されています。
• 多発性筋炎や皮膚筋炎などの筋肉疾患： 初期の研究では、クレアチンの摂取によって、これらの患者の筋力が向上する可能性が示唆されています。
• マッカードル病(筋型糖原病)： いくつかの初期の研究は、毎日のクレアチンの摂取は、マッカードル病患者の筋機能を改善することを示唆しています。しかし、より高い用量のクレアチンを服用すると、筋肉の痛みが悪化するようです。
• ミトコンドリアミオパチー (筋神経疾患)：初期の研究は、ミトコンドリアミオパチーの患者の筋肉機能や生活の質に有意な影響を与えないことを示唆しています。
• 多発性硬化症： 初期の研究では、毎日5日間クレアチンを経口摂取しても、多発性硬化症の運動機能は改善されないことが示唆されています。
• 筋ジストロフィー ：クレアチンを毎日8〜16週間服用した後、筋力と疲労が改善するというエビデンスと、クレアチンは筋ジストロフィーをもつ人に効果がないというエビデンス両方存在します。クレアチンを毎日経口摂取しても、HIVによる筋ジストロフィーを持つ男性の筋肉量や筋力は増加していないようですが、クレアチンを摂取することで、筋肉量を維持し、筋力の低下を予防する効果が示唆されています。
• 筋肉のけいれん： 初期の研究は、血液透析治療の前に口でクレアチンを服用すると、筋肉の痙攣を軽減することが示唆されています。
• 新生児の睡眠中に呼吸の問題： 初期の研究では、未熟児にクレアチンを投与しても睡眠中に呼吸の問題が改善されないことが示されています。
• 脳の損傷： 初期の研究では、クレアチンを毎日7日間経口服用すると、脊髄損傷を持つ人の肺機能を高めることによって運動能力が高まることが示されているが、他の研究では、クレアチンが手首の筋肉や手の機能を改善しないことを示しています。初期の研究では、クレアチンを毎日6ヶ月間経口服用すると、子供の外傷性脳損傷後の記憶喪失が減少することが示されています。
• 変形性関節症：初期の研究では、トレーニングと組み合わせて毎日経口摂取することで、閉経後の女性の変形性膝関節症の身体機能を改善することが示唆されています。
• パーキンソン病：初期の研究では、クレアチンを12-18ヶ月間毎日2回服用すると、医薬品の服用をまだ始めていない人のパーキンソン病の進行を遅らせられることが示唆されています。
• レット症候群と呼ばれる神経障害。初期の研究は、毎日6ヶ月間服用すると、レット症候群の女性の症状が若干改善する可能性があることが示唆されています。
• 関節リウマチ： 初期の研究では、毎日クレアチンを経口摂取すると、除脂肪体重(筋骨量)を増加させ、筋力を改善する可能性がありますが、慢性関節リウマチの成人では身体機能を改善しないことが示唆されています。 小児では、クレアチンと脂肪酸を含むサプリメントを1日2回30日間服用すると、痛みや腫れが軽減することが示唆されていいますが、クレアチンを単独で服用した場合の効果は分かっていません。
• 統合失調症： 初期の研究では、クレアチンを毎日2ヶ月間経口摂取しても、統合失調症患者の症状や精神機能は改善されないことが示唆されています。
• 脊髄性筋萎縮症： 初期の研究は、脊髄の筋肉が減少している子供は、クレアチンを経口摂取しても有意な影響が見られないことが示唆されています。
• 手術後の回復： 初期の研究では、クレアチンを毎日服用しても、手術後の筋力の回復が早くならないことが示されています。
• 双極性感情障害

効果まとめ

副作用

双極性感情障害:  躁病の双極性感情障害を持つ人がクレアチンを毎日4週間服用して躁病が悪化したという報告があります。

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

様々なクレアチンを含む製品が市販されていますが、クレアチン一水和物が最も安価で効果があり、微粉化されたものは簡単に水に解けて便利です。

クレアチン一水和物は、負荷トレーニング中に補給できます。初めは、体重1kgあたり0.3グラムを5〜7日間服用し、その後3週間以上、0.03g / kgでフォローします。

十分に水分を補給しないと胃のむかつきが起こることがあります。一度に補充するクレアチンが多すぎると下痢や吐き気が起こる可能性があります。そのような場合には、服用を複数に分けて、食事と一緒に摂取するのがおすすめです。

科学的根拠・参考文献