初乳[Colostrum]は、牛などの動物の乳腺分泌物です。サプリメントとして補給するとホエータンパク質と似たような効果が期待でき、免疫や消化器系にいくつかのユニークな効果を持つ可能性が示唆されています。
コンテンツ
概要
重要な効果・情報
初乳は、母乳が出始める前の数日間、哺乳類の乳房から出る乳白色の液体です。細菌やウイルスなどの病原菌と戦う抗体、タンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラルなどが含まれています。初乳の中の抗体の濃度は、通常の牛乳より100倍高いとされとされています。
初乳は、他の乳製品にはない酵素、抗体、成長因子を豊富に含んでいるため、人気の栄養補助食品となっています。
初乳は、免疫系の強化、傷病の治癒、神経系の損傷の修復、気分や幸福感の改善、アンチエイジング、細菌や真菌の殺菌、大腸炎などに使用されています。
抗体が多量に含まれることから、人間の腸内感染を防ぐかもしれないと考え、研究が行われました。新生児の未発達の腸管は、初乳中に存在する成長因子が腸壁を自由に通過し、吸収できますが、成体の哺乳動物の腸では、血流に吸収される前に消化酵素によって有益な化合物を分解してしまいます。このため、初乳の成長因子が筋肉には影響を及ぼしませんが、腸に何か問題がある場合などは局所的に効果があるようです。
適応・効果
適応情報
有効性の信頼度(中)
- 運動をしている人の急性上気道炎:研究によると、ウシの初乳を8-12週間経口服用すると、運動をしている人の急性上気道炎の発症率や症状を軽減することができます。
- 感染性下痢症:ウシの初乳を服用すると感染性下痢症に過去に感染したことがある成人および小児の感染性下痢の発症を防ぐようです。また、すでに発症している小児の治療にも効果があるようです。しかし、抗生物質を服用している小児の感染性下痢の回復を速める効果は認められませんでした。
- HIV感染者の下痢症:ウシの初乳を摂取すると、HIV感染者の下痢を軽減するのに役立ちます。ほとんどの研究では、牛の高免疫初乳を使用しています。
- インフルエンザ:特定の種類のウシの初乳(Ad ColostrumやCorcon srl)を8週間経口摂取すると、すでにインフルエンザワクチン接種を受けている人や、インフルエンザを発症する危険性の高い心臓病の人々を初めとして、発症率が軽減し、インフルエンザの予防に役立ちます。
- ロタウイルス感染症による下痢症:ウシの初乳を服用すると、子供のロタウイルスによる下痢を軽減するようです。ほとんどの研究では、ウシの高免疫初乳を使用しています。
エビデンス不足
- 高齢者の筋力低下:いくつかの研究では、ウシの初乳製品を服用すると、筋力トレーニングを行う高齢者の脚の筋力は向上しますが、上半身の筋力や体組成は改善しないことが示唆されています。
- 運動能力:初期の研究は、ウシの初乳は運動能力を高める可能性が示唆されています。サイクリングやスプリントなどの断続的なエクササイズが効果があるようです。
- 記憶力(認知機能)。初期の研究では、ウシの初乳を服用しても運動プログラムに参加している高齢者の記憶力は改善されないことが示されています。
- 糖尿病:初期の研究では、ウシの初乳を摂取することで食後の血糖値を低下させることができ、2型糖尿病患者のコレステロール値が低下することが示されています。
- 腸の炎症(大腸炎): 10%のウシの初乳を含む直腸浣腸が大腸炎の治療に役立つ可能性を示唆する初期のエビデンスがあります。
- 幼児の健康(発育不全):発育が十分でない幼児における初期の研究では、ウシの初乳を経口摂取すると体重は増えますが身長には有意な影響がないことが示唆されています。
- ヒトパピローマウイルス感染症(HPV):初期の研究では、ウシの初乳を膣に6ヶ月間塗布すると、HPV患者の子宮頸部病変の治癒に効果があることが示唆されています。
- 低ガンマグロブリン血症と呼ばれる免疫疾患に関連する下痢症: 1つの報告では、ウシの初乳を服用することは低ガンマグロブリン血症の子供の感染性下痢症を治療するのに役立つことを示しています。
- 多発性硬化症(MS):ウシの高度免疫初乳の摂取は、多発性硬化症の治療に役立つ可能性がありますが、相反する結果も存在します。
- 急性上気道炎:研究によると、ウシの初乳に含まれるタンパク質を摂取することは、成人の上気道感染症の予防に役立つことが示唆されています。しかし、上気道感染が起こった場合、感染の期間を短縮に影響を与えないようです。また、ウシの初乳を摂取すると子供の気道感染の頻度を減らすようです。
- 細菌感染症および真菌症
- 除脂肪体重
- 脂肪燃焼
- ドライアイ
- 主観的幸福
- 怪我の治癒
- スタミナとエネルギー
- 口内炎
- 神経系の損傷の治癒
- 免疫系の活性化
- アンチエイジング
- その他の症状
効果まとめ
効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。
レベル | 研究の質と量 ? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります. |
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二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。 | |
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。 | |
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。 | |
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。 |
研究の質と量 ? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります. | 研究対象 | 効果の大きさ ? それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています. | 研究の整合性 ? 科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています. | 摘要 |
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体重 | – | 高い 13件の研究結果を見る | 大部分の研究は、体重に対して有意な影響を与えないことを示していますが、タンパク質とカロリーを含んでいるため、体重が増加する可能性があります。 | |
下痢 | 高い 8件の研究結果を見る | クリプトポスリジウムパルブム由来のHIV誘発性下痢や大腸菌(E.coli)に感染した食物による下痢に、大腸菌免疫を持つウシの初乳を使用すると、かなり有効のようですが、他の下痢では効果がない可能性があります。 | ||
CD4リンパ球 | 低い 4件の研究結果を見る | 低用量の初乳では有意な影響がないようですが、CD4リンパ球の減少しているHIVの人が初乳を高用量で服用すると、ホエイタンパク質を対照として比較して、軽度にCD4 リンパ球の数を増加させる可能性があります。 | ||
腸透過性 | – 3件の研究結果を見る | 予備的なエビデンスによると、持久力運動では増加していますが、高温ストレス運動やNSAIDの同時摂取では減少しています。 | ||
除脂肪量 | 中程度 5件の研究結果を見る | 初乳は、本質的には食物タンパク質であるため、除脂肪体重を増加させるようです。乳清タンパク質と同等の効果がありますが、初乳に含まれる成長因子が対照としているタンパク質として以外の利益をもたないようです。 | ||
有酸素運動 | – | 中程度 5件の研究結果を見る | 大部分の研究では、初乳はホエイタンパク質と同様に有酸素運動にあまり影響を与えないようですが、自転車競技のアスリートの高耐久性ストレッサーなどの特定の例において、免疫抑制が低下することによって軽度の強壮効果があるかもしれません。 | |
嫌気ランニング能力 | – | 非常に高い 5件の研究結果を見る | ホエイタンパク質と比較して、ウィンゲートテスト、運動ストレステスト、ローイング(船漕ぎ)運動などの嫌気的な運動における心血管系の改善には有意な効果はないようです。 | |
脂肪質量 | – | 非常に高い 3件の研究結果を見る | 初乳の補給は、ホエイタンパク質と同様に、ベースラインよりも被験者の脂肪量を増加させていません。 | |
脂肪の酸化 | – | 非常に高い 3件の研究結果を見る | 初乳はホエイなど他のタンパク質と同様に、運動における脂肪酸化速度やグルコース消費に影響を与えません。 | |
心拍数 | – | 非常に高い 4件の研究結果を見る | 運動中の心拍数は、亜最大値または乳酸閾値のいずれでも、初乳の食事補給によって変更されありません。 | |
IGF-1 | – | 高い 5件の研究結果を見る | タンパク質を補給するとIGF-1を上昇させる可能性がありますが、乳清タンパク質と同様に初乳はIGF-1に有意な影響を与えないようです。初乳中のIGF-1は、腸管で完全に消化され、血液には流入しないと考えられます。 | |
免疫グロブリンA | – | 中程度 8件の研究結果を見る | 唾液および血清中のIgA濃度は効果の大きさや発生頻度に一貫性がないため確実とは言えませんが、いくつかの研究で短期的な上昇が見られます。 IgAが確実に増加すると考えられるのはワクチンとして使用される場合です。 | |
免疫グロブリンG | – | 高い 4件の研究結果を見る | 初乳をワクチンとして使用した場合に、対照としてホエイを混ぜた脱脂乳と比較して、IgGが一旦増加するようですが、ワクチン接種がない場合は有意な影響はないようです。 | |
免疫グロブリンM | – | 非常に高い 3件の研究結果を見る | IgMは対照となるタンパク質と比較して有意に影響はなく、他の免疫グロブリンと違って、ワクチン誘発性の増加も見られませんでした。 | |
乳酸生成 | – | 非常に高い 4件の研究結果を見る | 運動中の乳酸の生成は、ホエータンパク質と比較して、有意な変化は見られませんでした。 | |
病気の長さ | – | 非常に高い 4件の研究結果を見る | 初乳で病気の頻度が減少することを示唆するエビデンスがありますが、病気が発生した場合、その期間の短縮に有意な変化は見られませんでした。 | |
筋力 | – | 非常に高い 9件の研究結果を見る | ほとんどの研究ではホエーと比較して、初乳が筋力に有意な影響を与えないことを示しています。ホエイと同様にプロテインとして、長期間に食事と組み合わせることで筋力を増加させる可能性はあります。 | |
VO2 max | – | 非常に高い 6件の研究結果を見る | 心血管訓練の対象となる選手の中での初乳の影響を評価したすべての研究では、ホエイと比較して、VO2 maxに影響は見られませんでした。 | |
疲労 | 非常に高い 2件の研究結果を見る | 疲労に関する研究では、HIVに関連する下痢を患っている人を評価していますが、下痢が正常になるとともに、疲労も80%以上がベースライン値よりも減少しました。このような抗疲労作用が健康な人にも影響を与えるかどうかは分かっていません。 | ||
潰瘍性大腸炎の症状 | – 研究結果を見る | 潰瘍性大腸炎の人に初乳を含む浣腸剤を用いた研究では、プラセボと比較して、症状や炎症の大きな抑制が見られました。炎症性腸疾患に対する初乳の経口補充に関する研究はありません。 | ||
腹痛 | – 研究結果を見る | 研究では下痢の治療に成功したことによる腹痛の軽減が示されています。 | ||
CD8リンパ球 | 中程度 2件の研究結果を見る | CD8 +リンパ球のベースラインは変化していないようですが、運動中のリンパ球の減少が対照と比べて初乳を服用することで軽減することが分かりました。 | ||
グルカゴン様ペプチド1 | – 研究結果を見る | プラセボでは運動によってGLP-1の増加が見られましたが、初乳投与では減少しました。初乳で見られる腸管透過性の低下に関連しているようです。 | ||
インスリン分泌 | – 研究結果を見る | 初乳摂取に応答してインスリンが分泌されますが、ホエータンパク質と同様の反応と考えられます。 | ||
マクロファージ活性 | – 研究結果を見る | 初乳の急性服用に関する研究では、マクロファージの活性の増加が認められましたが、1日後に他の免疫変数はもとに戻っており、長期的な服用による影響は不明です。 | ||
筋肉タンパク質合成 | – 研究結果を見る | 初乳はタンパク質のため、マルトデキストリンと比較すると初乳の服用はタンパク質合成が増加しますが、タンパク質の分解の増加も見られます。 他のタンパク質源と比較した初乳の筋肉タンパク質合成の有効性は、現時点では十分に研究されていません。 | ||
上気道感染症のリスク | – 3件の研究結果を見る | 急性上気道炎の発生率は軽度に低下するようですが、現在の試験では信頼性が低いため、さらに多くのエビデンスが求められます。 | ||
ワクチンの増強 | 中程度 2件の研究結果を見る | 抗体力価を評価する研究ではワクチンに応答してIgAやIgGの分泌が増加するようですが、ワクチンの効果を増強することを支持するエビデンスは限られています。 | ||
B細胞数 | – | – 研究結果を見る | B細胞の総数は初乳のとホエイタンパクの間で有意な変化は見られませんでした。 | |
血液の酸性度 | – | 中程度 2件の研究結果を見る | ある研究では血液の酸性度の低下が見られましたが、別の研究では再現されず、このような現象の後に発生する可能性のある強壮効果は見られませんでした。 | |
体温 | – | – 研究結果を見る | 初乳は体温に有意な影響を与えませんでした。 | |
C反応性蛋白 | – | 非常に高い 2件の研究結果を見る | 対照およびベースライン値と比較して、初乳の補充によって、C反応性タンパク質は有意に影響されないようです。 | |
細胞接着因子 | – | – 研究結果を見る | 免疫細胞の細胞接着因子は、ホエイタンパク質と比較して有意な影響は見られませんでした。 | |
コルチゾール | – | 中程度 3件の研究結果を見る | 自転車競技のトレーニング中にコルチゾールが増加することが示されていますが、コルチゾールの基本濃度や標準運動後には初乳の補給に影響を受けないようです。 | |
運動誘発性免疫抑制 | – | 非常に高い 2件の研究結果を見る | 運動選手の運動中の免疫低下を評価する限られた研究では、対象となるホエイタンパクと比較して病気率に有意な低下は見られませんでした。 | |
グレリン | – | – 研究結果を見る | グレリンの循環レベルは、初乳の補充に影響を受けないようです。 | |
グルカゴン様ペプチド2 | – | – 研究結果を見る | GLP2の循環レベルは、対照タンパク質に対して有意な影響を受けないようです。 | |
ヘモグロビン | – | 非常に高い 2件の研究結果を見る | HIVに関連する下痢が治癒した場合に、ヘモグロビンの増加は認められましたが(疲労の軽減の徴候と考えられます)、初乳の服用によるヘモグロビンの本質的な増加では無いと考えられています。 | |
免疫 | – | – 研究結果を見る | 初乳は、DTH応答性(T細胞媒介性免疫の指標)に影響しないようです。 | |
免疫グロブリンE | – | 非常に高い 2件の研究結果を見る | ミルクアレルギー(IgEの増加がアレルギー反応で起こる)の人を除いて、IgEのベースライン濃度に対する初乳の影響はありません。 | |
インターフェロンガンマ | – | – 研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充はIFN-γに影響を与えないようです。 | |
インターロイキン1アルファ | – | – 研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充はIL-1αの循環濃度に影響を与えないようです。 | |
インターロイキン10 | – | 非常に高い 2件の研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充はIL-10のベースラインに有意に影響されないようです。 | |
インターロイキン6 | – | 非常に高い 2件の研究結果を見る | IL-6は、初乳の補充に影響されないようです。 | |
インターロイキン8 | – | – 研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充はIL-8に有意に影響されないようです。 | |
腸内寄生虫 | – | 非常に高い 3件の研究結果を見る | 旅行者の下痢(大腸菌由来)がうまく治療された場合でも、便中に見出の細菌の総量や寄生虫には影響を与えないようです。 | |
乳酸閾値 | – | 非常に高い 2件の研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充は乳酸閾値を上昇させないようです。 | |
リンパ球数 | – | – 研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充はリンパ球数に有意に影響しないようです。 | |
単球数 | – | – 研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充は単球数に影響を与えないようです。 | |
筋持久力 | – | – 研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充は、定められた運動とあわせて摂取されても、筋肉持久力(ベンチプレス反復数)に有意に増加させないようです。 | |
ナチュラルキラー細胞活性 | – | – 研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充はナチュラルキラー細胞の活性は影響されないようです。 | |
ナチュラルキラー細胞の量 | – | 中程度 2件の研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充は一時的な減少が見られる可能性がありますが、NK細胞の量に持続的な影響はないようです。 | |
好中球数 | – | 非常に高い 2件の研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充は、血清中の好中球の総量に影響はないようです。 | |
自覚的運動強度 | – | – 研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充は、身体運動中の自覚される運動強度に影響はないようです。 | |
病気の重症度 | – | 中程度 2件の研究結果を見る | IgA欠乏症の小児では、病気の発症時に補充されると重症度が低下するようですが、急性上気道炎を発症した成人では有意な効果は認められませんでした。 | |
T細胞数 | – | – 研究結果を見る | 健康な個体では、ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充はT細胞数に変化は認められませんでした。 | |
TNFアルファ | – | 非常に高い 2件の研究結果を見る | TNF-αは初乳の補充に影響を受けません。 | |
テストステロン | – | 中程度 3件の研究結果を見る | 5日間の自転車競技(テストステロンが一定になる傾向がある)の間にテストステロンの分泌リズムの維持がみられましたが、他の研究では基礎テストステロン濃度に影響は見られませんでした。 | |
呼吸閾値 | – | – 研究結果を見る | ホエイタンパク質を対照に比較して初乳の補充は換気閾値に有意な影響を与えないようです。 | |
ウイルス量 | – | – 研究結果を見る | すでに抗ウイルス療法を受けているHIV患者に初乳を投与しても、ウイルス量に影響は見られませんでした。 | |
白血球数 | – | 中程度 2件の研究結果を見る | 白血球数に一時的な上昇が見られますが、継続的な改善にはつながらないようです。 | |
血糖 | – 研究結果を見る | II型糖尿病患者を対照にした試験では、4週間の初乳補給で空腹時グルコース濃度が10〜14%低下しましたが、対照グループとの比較は行われませんでした。 | ||
糞便重量 | – 研究結果を見る | 下痢を治療した結果として、便の重量の減少がみられました。 | ||
ケトン体 | – 研究結果を見る | 4週間毎日初乳を補充することにより2型糖尿病患者におけるケトン体の減少が見られました。減少は軽度ですが、プラセボとの比較は行われませんでした。 | ||
総コレステロール | – 研究結果を見る | II型糖尿病患者において、初乳の補給による総コレステロールの軽度の減少が見られました。 | ||
トリグリセリド | – 研究結果を見る | II型糖尿病患者において、空腹時のトリグリセリドが、初乳摂取時のベースラインと比較して低下することが示されました。 | ||
成長ホルモン | – | – 研究結果を見る | 他のタンパク質源と比較して初乳の補給は、経口補給後の成長ホルモンの循環量に対して有意な影響は見られませんでした。 |
副作用
ウシの初乳は、適切に経口摂取された場合、ほとんどの人にとっては安全です。それが浣腸剤として直腸に投与される場合も、安全とされています。ほとんどの人は初乳の服用による副作用は見られませんが、HIV陽性の人でまれに吐き気、嘔吐、肝機能の異常、赤血球減少などが報告されています。
動物に由来する食物として「狂牛病」(ウシ海綿状脳炎、BSE)やその他の病気を発症する可能性について、「狂牛病」は乳製品を介して伝染するとは考えられていませんが、一定の懸念がなされています。
特別な注意と警告:
妊娠中および授乳中:妊娠中または授乳中の場合は、牛の初乳服用の安全性に関する十分な信頼性の高い情報はありません。安全のために使用を控えましょう。
牛乳アレルギー:牛乳や乳製品にアレルギーがある場合は、牛の初乳にもアレルギー反応を起こす可能性がありますので、摂取を避けましょう。
注意事項
その他の名称
- ファーストミルク、ウシの初乳、Colostrum
服用方法
推奨用量、有効量、その他の詳細
タンパク質の補給または腸内の健康のために使用する標準的な初乳の用量は、20〜60gです。この用量は、2-4g(10-20%)の免疫グロブリンを含みます。初乳は粉末の形で補給できます。大腸菌誘発性の下痢のリスクを低減するための初乳の用量は、400-3500mgの免疫グロブリンを含んでいることが望ましいです。食事の直後に服用することが推奨されています。大腸菌に関連する疾患のリスクを低減することを目的に初乳を補給するは、大腸菌に対して免疫を持つようワクチンを受けた牛(または動物)由来の初乳を補給する必要があります。
下記は、それぞれの研究で使用された用量です。
大人
- 運動誘発性上気道炎: 10-20グラムの初乳を8-12週間摂取。
- HIVに関連する下痢症: 10-30グラムの初乳の粉末を10-21日間1日1-4回に分割して摂取。
- インフルエンザ: 脱脂され凍結乾燥された初乳400 mgを8週間に渡って摂取。
子供
経口摂取:
- 感染性下痢症: 1-2歳の場合は3グラムを4週間1日1回。2-6歳の場合は3グラムを4週間1日2回。それ以外では7グラムの初乳を1日3回14日間 摂取。
- ロタウイルス下痢症: 4日間10グラム、または2週間1日に20-300 mL摂取。