コレウスフォルスコリ[Coleus forskohlii]は、インドのアーユルヴェーダの薬として呼吸器疾患や心臓疾患の治療に使用されてきたハーブです。フォルスコリンという活性物質を含み、特に男性においてテストステロンを増強し、脂肪の燃焼を促進し、骨や筋肉を増強する効果が示唆されています。科学的なエビデンスや再現性の検証が不足しているため、さらなる研究が必要です。
コンテンツ
概要
重要な効果・情報
コレウスフォルスコリは伝統的にインドのアーユルヴェーダ の薬として呼吸器疾患や心臓疾患の治療のために使用されてきたハーブです。近年では、脂肪燃焼サプリメントとしても使用されています。コレウスフォルスコリの主な生理活性成分はフォルスコリンと呼ばれ主に根に含まれています。フォルスコリンは、特発性拡張型心筋症や喘息の治療効果が示されている他、予備的なエビデンスではテストステロンの増加、骨量・除脂肪体重の増加、脂肪・体重の減少、眼圧の緩和、勃起不全の治療効果なども示唆されています。
フォルスコリンの研究は、試験管やペトリ皿などのインビトロ(体外)での研究が非常に多く、それらの研究では炎症、癌、高血圧、痛み、不眠症、痙攣などへの効果が示唆されていますが、これらの作用が実際に人体で起こるかを確認するには、動物での実験を経て、人が服用して臨床研究を行うことが必要です。
フォルスコリンは体内で、細胞における環状アデノシン一リン酸(cAMP)と呼ばれる分子のレベルを上昇させます。cAMPレベルが上昇することによって、脂肪を燃焼するだけでなく、他の脂肪燃焼化合物の効果を増強する可能性があります。脂肪の燃焼効果に関する研究結果は相反していますが、女性よりも男性でより効果が高まる可能性があります。
適応・効果
適応情報
有効性の信頼度(中)
- 特発性拡張型心筋症: いくつかの研究において、フォルスコリンを静脈内投与すると、特発性拡張型心筋症患者の心臓の機能が改善されることが示されています。
- 喘息: いくつかの研究では、フォルスコリンを単発で吸入すると喘息の症状が改善されることが示されています。
エビデンス不足
- 肥満症: フォルスコリンの摂取による脂肪・体重の減少、骨量・除脂肪体重の増加が示唆されていますが、それぞれの効果の再現性は確認されていません。
- 勃起不全(ED): 初期の研究によると、ペントラミン、パパベリン、およびプロスタグランジンE1と一緒にコレウスフォルスコリを陰茎基部に注射すると、ED患者の性機能が改善されることが示唆されています。性的機能
- 高眼圧症: いくつかの初期の研究では、フォルスコリンの点眼薬を使用すると、眼の疾患のない健常者の眼圧を有意に低下させることが示唆されています。緑内障患者での研究は現時点では行われていません。視力サプリ: 緑内障:
- アレルギー:
- スキンケア:
- 疼痛(痛み):
- 過敏性腸症候群:
- 尿路感染症・膀胱炎:
- 高血圧症: 血圧サプリ
- 胸痛:
- 癌:
- 血餅:
- 不眠症: 睡眠サプリ
- 痙攣発作:
効果まとめ
効果まとめ表
効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。
レベル | 研究の質と量
? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります. |
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二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。 | |
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。 | |
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。 | |
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。 |
研究の質と量
? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります. |
研究対象 | 効果の大きさ
? それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています. |
研究の整合性
? 科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています. |
摘要 |
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喘息 | 中程度 | 非常に高い 2件の研究結果を見る |
他の栄養補助食品よりも喘息の症状の抑制に有効なことが示唆されています。βアドレナリン作動性化合物として、cAMPの増加と気管支を拡張することで作用している可能性があります。
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骨密度 | 中程度 | – 研究結果を見る |
DXAによる骨密度測定で、12週以上のフォルスコリンの服用で男性の骨量の増加が見られました。
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脂肪質量 | 小さい | – 研究結果を見る |
肥満や過体重の人の脂肪量を軽度に減少させるようです。
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疲労 | 小さい | – 研究結果を見る |
副次的な効果として疲労の減少が報告されていますが、他の項疲労物質との比較や効力の評価は行われていません。
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眼圧 | 小さい | 非常に高い 2件の研究結果を見る |
フォルスコリンを含有する点眼液は、眼圧を低下させる作用が示されています。経口服用でも有効な可能性がありますが、この研究は他の栄養素が含まれているためフォルスコリンの効果かどうかは分かっていません。
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除脂肪体重 | 小さい | – 研究結果を見る |
除脂肪量は骨や筋肉を含むため骨量の増加も含まれますが、除脂肪体重の増加にも効果的なようです。12週間の服用で、プラセボに対して0.9kgの増加が見られました。
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テストステロン | 小さい | – 研究結果を見る |
男性において個人差があり、効力は高くありませんがテストステロンの増加が見られました。
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体重 | 小さい | 中程度 4件の研究結果を見る |
体重に対する効果は相反する結果が出ており、女性よりも男性でより効果的である可能性が示唆されています。減量に対する効果を結論付けるためにはさらなるエビデンスが必要です。
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血圧 | – | 非常に高い 2件の研究結果を見る |
フォルスコリンの補給による血圧への有意な影響は見られませんでした。
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HDL-C | 中程度 | – 研究結果を見る |
大規模な研究で再現性を検証する必要がありますが、HDL(善玉)コレステロールの顕著な増加が見られました。
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副作用
副作用と安全性
フォルスコリンの点滴、吸入、点眼薬としての投与は、大部分の成人にとっては安全とされています。 しかし、副作用を起こす可能性があります。 点滴で投与された場合は、潮紅や低血圧、 吸入の場合は、喉の炎症、咳、振戦、鎮静、点眼薬の場合はヒリヒリ感、などの副作用を起こす可能性があります。
注意と警告
妊娠: 妊娠中のフォルスコリンの使用は、安全でない可能性があります。 高用量での服用は、胎児の成長を遅くしたり停止させたりする可能性があります。 安全のため使用を控えましょう。
授乳: 授乳中のフォルスコリンの服用の安全性に関する信頼できる情報は十分ではありません。安全のため使用を控えましょう。
出血性障害:フォルスコリンが一部の人の出血のリスクを高める可能性があるというエビデンスが複数あります。
心疾患: コレウスは血圧を下げる可能性があります。フォルスコリンが心疾患や血管疾患の治療に干渉し、症状を悪化させる可能性が懸念されています。心臓の問題を抱えている場合は注意して使用してください。
低血圧: フォルスコリンは血圧を下げる可能性があります。血圧が低い場合、低下しすぎる可能性があります。
手術: フォルスコリンは手術中や手術後に出血を増加させる可能性があります。 予定されている手術の少なくとも2週間前には使用を中止してください。
注意事項
相互作用
強い相互作用
下記の組み合わせを避けてください。
- 高血圧治療薬(カルシウムチャネル遮断薬)フォルスコリンは血圧を下げる可能性があります。高血圧治療薬には、ニフェジピン、ベラパミル、ジルチアゼム 、イスラジピン、フェロジピン、アムロジピンなどが含まれます。
- 心臓への血流を増加させる薬(硝酸塩)フォルスコリンは血流を増加させます。 心臓への血流を増加させる薬と一緒に服用すると、めまいや頭痛を起こす可能性があります。心臓への血流を増加させる薬には、ニトログリセリンやイソソルビドなどが含まれます。
中程度の相互作用
下記の組み合わせに注意してください。
- 血液凝固を遅らせる薬(抗凝固剤/抗血小板剤)フォルスコリンは血液凝固を遅らせる可能性があります。 血液凝固を遅らせる薬には、アスピリン、クロピドグレル、ジクロフェナク、イブプロフェン 、ナプロキセン、ダルテパリン、エノキサパリン、ヘパリン、ワルファリンなどが含まれます。
その他の名称
- コレウスフォルスコリ、コレオノール、7β-アセトキシ-1アルファ、6β、9α-トリヒドロキシ-8,13-エポキシ – ラブド-14-エン-11-オン
分類カテゴリー
良い組み合わせ
悪い組み合わせ
確認事項
服用方法
推奨用量、有効量、その他の詳細
コレウスフォルスコリの補給は、フォルスコリン10%を含むサプリメント250mgを1日2回(合計500mg)の服用が一般的ですが、最適な服用量の決定にはさらなる研究が必要です。
下記の用量が科学的な研究で使用されました。
点滴:
- 医療従事者によって、特発性拡張性心疾患のためにフォルスコリンの静脈内への点滴が行われました。
吸入:
- 医師の指導のもとで、喘息の患者が、スピンヒーラー吸入器を使用してフォルスコリン粉末を吸入しました。