クリシンは蜂蜜やプロポリスなどで高濃度に含まれているフラボノイド化合物です。睾丸に注射することでテストステロンを増強できることが分かっていますが、経口摂取では代謝されてしまい吸収されず、血液から精巣まで運ばれないためにテストステロンを増強しません。また、結腸癌の予防作用が示唆されており、研究が進んでいます。

概要

重要な効果・情報

クリシンは、パッションフラワー、シルバーリンデン、ゼラニウムなどに含まれ、プロポリスやハチミツには高レベルで見られるバイオフラボノイド化合物です。クリシンは、テストステロンや筋肉の増強、不安、炎症、痛風、HIV / AIDS、勃起不全(ED)、脱毛症の治療、癌を予防などに使用する例が見られますが、十分な科学的なエビデンスによる裏付けはありません。テストステロンの増加については、テストステロンを生成しエストロゲンに変換されるのを阻止するメカニズムを持つことが示唆されていますが、人での経口摂取の研究では、テストステロンに有意な影響は見られませんでした。これは、クリシンは吸収されにくく、容易に代謝されてしまうため、血液中のレベルが不十分となり、精巣まで十分な量が到達できず有益な効果を発揮することができなくなっていると考えられています。

 

適応・効果

適応情報

効果がない可能性(中)

  • 運動能力: 8週間クリシンをステロイドや他のサプリメントと組み合わせて経口服用しても、アスリートの運動能力を強化するのに有効ではないようです。 運動能力向上サプリ

エビデンス不足

 

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

レベル 研究の質と量
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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。
研究の質と量
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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

研究対象 効果の大きさ
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それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.

研究の整合性
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科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.

摘要
テストステロン 研究結果を見る
クリシンの経口摂取はテストステロンに影響を与えませんでした。

 

副作用

副作用と安全性

成人がクリシンを8週間まで経口服用しても安全と考えられています。 副作用は報告されていません。

注意と警告

妊娠と授乳: 妊娠及び授乳中の安全性に関する信頼できる情報が十分ではありません。安全のため使用を控えましょう。

出血性疾患: クリシンは出血を増加させる可能性があります。 出血性疾患の人に挫傷や出血の危険性が高まることが懸念されます。

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手術: クリシンは血液凝固を遅らせる可能性があります。 手術中や手術後に余分な出血のリスクが増大する可能性が懸念されます。 手術予定日の少なくとも2週間前にクリシンを服用しないでください。

注意事項

相互作用

中程度の相互作用

下記の組み合わせに注意してください。

  • エストロゲン感受性がん(アロマターゼ阻害剤)

    一部の種類の癌は、体内のホルモンの影響を受けます。 エストロゲン感受性癌は、体内のエストロゲンレベルによって影響を受ける癌です。 エストロゲンに敏感な癌に対する薬は体内のエストロゲンを減少させるのに役立ちます。 また、クリシンは体内のエストロゲンを減少させる可能性があります。

軽度の相互作用

下記の組み合わせに気をつけてください。

  • 肝臓によって変化する薬物(シトクロムP450 1A2基質(CYP1A2))

    特定の薬は肝臓で変化し、分解されます。クリスチンは、肝臓が特定の薬物を分解する速度を減少させ、薬物の効果と副作用を増加させる可能性があります。 肝臓で変化する薬はクロザピン、シクロベンザプリン、フルボキサミン、ハロペリドール、イミプラミン、メキシレチン、オランザピン、ペンタゾシン、プロプラノロール、タクリン、テオフィリン、ジロートン、ゾルミトリプタンなどがありますが、不明の場合は医療従事者に確認して下さい。

  • 肝臓によって変化する薬物(グルクロン酸化薬物)

    いくつかの薬は体内で分解されます。クリシンは、特定の薬にたいして肝臓が分解する速度を変化させる可能性があります。肝臓で変化する薬には、アセトアミノフェン、アトルバスタチン、ジアゼパム、ジゴキシン、エンタカポン、エストロゲン、イリノテカン、ラモトリジン、ロラゼパム、ロバスタチン、メプロバメート、モルヒネ、オキサゼパムなどがあります。

その他の名称

  • プロポリス、ハニーエキス、 パッシフロラ・カエルレア・リン

分類カテゴリー

良い組み合わせ

  • COX2阻害剤(StARアップレギュレーション)
  • D-アスパラギン酸 (cAMP誘導の効果を増強)のようなStAR誘導物質

確認事項

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

標準的なクリシンの服用量(400-3000mg)はほとんど効果がないようです。吸収の改善することで理論的にはクリシンの効果を得られる可能性がありますが、まだ実証されていません。したがってクリシンの経口補給は目的とする効果を得られないため推奨できません。

科学的根拠・参考文献