ピクノジェノールの効果・副作用の科学的レビュー・口コミ

概要

重要な効果・情報

ピクノジェノールは松の木から抽出された特許および商標として登録されている成分で、重量の65-75％がプロシアニジン化合物を含有するように標準化されています。プロシアニジンは、緑茶に含まれる緑茶カテキンに類似したカテキン類からなる鎖状構造を持ちます。ピクノジェノールは、ブドウ種子エキスやココアポリフェノール、ピーナッツの皮、マンサクなどと共に、プロシアニジンの最も一般的な3供給源です。

ピクノジェノールの最大の効果は、血流の改善と血糖のコントロールと考えられています。血流の改善で心臓の保護、勃起不全の改善に役立ち、血糖をコントロールすることで、抗糖尿病作用をもつことが示唆されています。ピクノジェノールに関する多くのヒトでの試験が行われていますが、多くの研究が関連業界から資金調達を行っており、業界からの資金調達によって必ずしも結果に影響が出るとは限りませんが、注意が必要です。また、ピクノジェノールの研究は多岐に及びますが、それぞれの実験の再現性も高くありません。また、単体またはL-アルギニンと組合せて服用することによる勃起不全の改善も示されています。

また、抗酸化作用と抗炎症作用を持つことが示唆されており、抗炎症作用はヒトを対象にした研究で確認されており、時間の経過と共に効果が強化される可能性が示唆されています。ピクノジェノールは抗炎症剤としての低用量でも有用ですが、アスピリンの標的の COX酵素に対する抗炎症作用の大きさは、アスピリンより低いことが示されており、抗炎症効果はそれほど高くないかもしれません。

適応・効果

適応情報

有効性の信頼度(中)

• アレルギー: いくつかの研究で、アレルギーの季節が始まる前にピクノジェノールを取ることが特定のアレルギー症状を軽減することが示されています。アレルギー
• 喘息: 喘息薬と一緒に日常的にピクノジェノールを採取すると喘息の症状を減らし、喘息の子供および成人の吸入器の必要性を減少させることが示されています。喘息
• 運動能力向上: 若者（20〜35歳）が、ピクノジェノールを毎日約1ヶ月間摂取した後、トレッドミルで運動できる時間が改善するようです。 また、体力テストやトライアスロンのためのトレーニングをしているアスリートがこのエキスを毎日8週間服用すると、服用しなかったグループと比べて、テストや競技でより優れたパフォーマンスを発揮するようです
• 下肢血行障害: ピクノジェノールの経口摂取は、循環の問題がある人の足の痛みや重さ、体液貯留を減少させるようです。 一部の人は治療のためにトチノキの種子のエキスを一緒に使用していますが、エキスを単独で使用する方がより効果的なことが示されています。疼痛: 下肢痛: 体液貯留 痛み
• 精神機能の改善: 研究はピクノジェノールを3ヶ月間経口摂取することにより、若年者と高齢者の両方の精神機能と記憶を改善することを示唆している。 記憶力
• 網膜障害: 2ヶ月間の標準的なピクノジェノールの経口摂取は、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、その他の疾患によって起きる網膜疾患のさらなる悪化を遅らせたり防止することができるようです。また、視力を改善するようです。視力サプリ  糖尿病: アテローム動脈硬化症
• 勃起不全(ED): 初期の研究は、ピクノジェノールを単独またはL-アルギニンと組み合わせて服用すると、ED患者の性機能を改善する可能性があることが示唆されています。 大幅な改善には3ヶ月の治療を要するようです。性的機能

エビデンス不足

• 注意欠陥多動障害（ADHD）: ピクノジェノールの経口摂取は、成人のADHDの症状には影響しないようですが、1ヶ月間経口摂取すると、小児の症状が改善するようです。活動過剰: 多動性障害: 注意力
• かぜ(感冒): 風邪。 かぜの引き初めから1日2回ピクノジェノールを採取すると、かぜの期間およびかぜで休む日数を減らせるようです。 また症状を抑えるために必要な市販の風邪薬の量も減らせるようです。
• 動脈閉塞症（冠動脈疾患）: ピクノジェノールを1日3回4週間摂取すると、動脈閉塞に伴ういくつかの合併症を改善することができるというエビデンス証拠が複数あります。
• 深部静脈血栓症(DVT): ピクノジェノールを含む特定の組合せを服用すると、長距離飛行機の飛行中の深部静脈血栓症を防止するのに役立つことを示唆するいくつかのエビデンスがあります。 この製品は、ピクノジェノールとナットウキナーゼをブレンドして組み合わせています。 飛行2時間前に2カプセルを摂取し、その6時間後に再度1カプセル摂取しています。 また、ピクノジェノールを飛行前と飛行6時間後、および翌日に摂取することで、長時間の飛行中に静脈に血栓が形成される危険性が低減されるようです。 さらに、ピクノジェノールを1年間摂取すると、血栓後症候群のリスクを低減することができるようです。
• 歯垢:  初期の研究では、14日間ピクノジェノールを添加したガムを6本個以上噛むと、出血が減少し、プラークの増加を予防できることが示唆されています。
• 糖尿病: 初期のエビデンスによれば、ピクノジェノールを毎日3〜12週間摂取すると、糖尿病患者の血糖がわずかに減少することが示唆されています。
• 糖尿病足潰瘍: 初期の研究では、ピクノジェノールを経口摂取して、皮膚に塗布すると、糖尿病足潰瘍の治癒に役立つことが示唆されています。 糖尿: 糖尿病:
• 糖尿病性血管障害: 初期の調査では、標準化されたピクノジェノールを1日3回4週間服用することで、糖尿病患者の血行と症状が改善されることが示されています。 糖尿: 糖尿病:
• 浮腫 (足関節腫脹): 初期の研究では、飛行前と飛行後6時間、そして翌日にピクノジェノールを採取すると、足首の腫脹が軽減されることが示唆されています。むくみサプリ:浮腫
• 心不全: 初期の研究は、ピクノジェノールとコエンザイムQ10を含有する商品を12週間摂取すると、心不全のいくつかの症状が改善することを示唆しています。
• 痔核: 初期の研究は、ピクノジェノールの標準抽出物を単体で、または成分を含有するクリームを患部に塗布することで、生活の質および痔の症状を改善できることが示唆されています。生活の質 痔
• 高コレステロール血症: ピクノジェノールは、高コレステロールの人のLDL(悪玉)コレステロールを低下させるようですが、高血圧、2型糖尿病、勃起不全などの人のコレステロール値には有意な影響を与えないようです。コレステロール抑制サプリ:血圧サプリ: 糖尿: 糖尿病: ２型糖尿病: 高血圧症: 勃起不全: コレステロール 血圧
• 高血圧症: ピクノジェノールは、収縮期血圧（上）を低下させるようですが、拡張期血圧（下）を有意に低下させないようです。 このエキスは、血圧降下薬のラミプリルですでに治療されている患者の血圧を下げるのにも役立つことが示唆されています。 血圧サプリ:血圧
• こむら返り(下肢痙攣): ピクノジェノールの摂取で脚のけいれんが減る可能性があるというエビデンスがあります。痙攣
• 更年期症候群: 初期の研究では、ピクノジェノールを経口摂取すると、疲労、頭痛、うつ病、不安、ホットフラッシュを含む更年期症状が減少することが示唆されています。不安サプリ:頭痛サプリ: 発赤: 頭痛: うつ病: うつ状態: ほてり: のぼせ: うつ病  不安
• メタボリックシンドローム: 初期の研究では、メタボリックシンドロームを持つ人において、ピクノジェノールを1日3回経口摂取すると、トリグリセリド、血糖値、血圧が低下し、善玉(HDL)コレステロールが増加することが示唆されています 。コレステロール抑制サプリ:血圧サプリ:コレステロール トリグリセリド 血圧
• 口腔粘膜炎(潰瘍性口内炎):  ピクノジェノールを含有する溶液を1週間口内に塗布すると、化学療法の治療を受けている小児および青年の口腔潰瘍の治癒を助けるようです。  粘膜炎
• 変形性関節症: 骨関節炎に対するピクノジェノールの有効性についての複数の証拠がある。 標準的な海洋松樹皮の抽出物を口に入れると、全体的な症状は軽減するかもしれませんが、痛みを和らげたり日常の仕事を行う能力を向上させるようには見えません。疼痛: 関節炎: 痛み
• 妊娠後期の痛み： 初期の研究では、妊娠後期の3ヶ月間にピクノジェノールを経口摂取すると、腰痛、股関節痛、骨盤痛、静脈瘤の痛み、こむら返りなどが軽減されることが示唆されています。関節サプリ:疼痛: こむら返り: 腰痛症: 関節痛: 骨盤痛: 静脈瘤: 痙攣  腰痛 痛み
• 女性の骨盤痛: ピクノジェノールの経口摂取は、子宮内膜症や重度の月経の痙攣を持つ女性の骨盤痛を軽減することができるという初期のエビデンスがあります。生理サプリ: 子宮内膜症: 疼痛: こむら返り: 痙攣 痛み
• 性的機能に関する問題: 初期の研究によれば、ピクノジェノール、L-アルギニン、L-シトルリン、ローズヒップエキスを8週間毎日組み合わせて服用することで、女性の性機能の改善に役立つことが示唆されています。性的機能
• 全身性エリテマトーデス(SLE)の症状の改善: 初期の研究ではピクノジェノールを経口摂取すると、一部のSLE患者において症状が減少することが示唆されています。狼瘡
• 耳鳴症: 初期の研究では、ピクノジェノールを摂取するすることで、耳鳴りが減少することが示唆されています。
• 脳卒中の予防:
• 筋肉痛: 筋肉サプリ

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

レベル	研究の質と量 ? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.
	二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
	2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
	二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
	上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。

研究の質と量 ? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.	研究対象	効果の大きさ ? それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.	研究の整合性 ? 科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.	摘要
	血流	中程度	非常に高い 3件の研究結果を見る	酸化窒素依存性血流の改善は、健康な対照と健康でない人の両方で認められているプロシアニジンの補充の後に起こるようです。 降圧効果もないようです。
	脚の腫れ	中程度	非常に高い 2件の研究結果を見る	血流の増強に続発して脚の腫脹を軽減するように見える。 エビデンスはそれほど強くありませんが基準となるトチノキのサプリメントほどの効果は無い可能性があります。
	変形性関節症の症状	中程度	非常に高い 2件の研究結果を見る	この時点での予見的なエビデンス（有望で独立しているが限定的である）は、変形性関節症のすべての症状を軽減し、症状の半分に達しているが効果が現れるまでに90日を要するピコノジェノールの使用を裏付けている
	喘息	小さい	非常に高い 2件の研究結果を見る	予備的なエビデンスは、ピクノジェノールの仕様が変形性関節症の症状を軽減することを示唆していますが、効果が現れるまでに90日という期間が必要なことを示しています。
	注意	小さい	– 研究結果を見る	長期にわたる試験勉強中の学生の注意力の改善が見られました。
	認知	小さい	– 研究結果を見る	試験勉強中の学生に認知機能の改善が見られました。
	一般酸化	小さい	非常に高い 2件の研究結果を見る	一般的な酸化の減少は、長期のピクノジェノール補充後に認められる
	LDL-C	小さい	非常に高い 3件の研究結果を見る	ピクノジェノールの摂取によってLDLコレステロールを低下が見られました。また、補給を停止すると元に戻ることが示唆されています。
	痛み	小さい	– 研究結果を見る	疼痛の軽減などの変形性関節症の症状の改善が見られましたが、詳細な検証が必要です。
	肌の弾力性	小さい	– 研究結果を見る	ピクノジェノールの補給によって、皮膚の弾力性の改善が見られました。
	肌のクオリティ	小さい	– 研究結果を見る	プロシアニジンの経口補充による高齢女性の肌のクオリティの改善が見られました。
	主観的福利	小さい	– 研究結果を見る	学力テストを受けている学生の主観的な福利と気分の改善が見られました。
	更年期の症状	小さい	– 研究結果を見る	ピクノジェノールの補給によって、閉経の症状の減少が見られました。
	血糖値	–	– 2件の研究結果を見る
	血圧	–	中程度 2件の研究結果を見る	血流の改善が見られましたが、安静時血圧に顕著な変化は認められませんでした。
	C-反応性タンパク質	–	– 研究結果を見る	C反応性タンパク質の有意な変化は認められませんでした。
	エンドセリン-1	–	– 2件の研究結果を見る
	HbA1c	–	– 2件の研究結果を見る
	心拍数	–	– 研究結果を見る	心拍数の有意な変化は認められませんでした。
	炎症	–	非常に高い 2件の研究結果を見る	標準的な炎症性サイトカインに有意な影響は認められませんでした。
	酸化窒素	–	– 研究結果を見る	血流効果を確立する1つの研究では酸化窒素に依存しているにもかかわらず、唾液中の一酸化窒素量には有意な差は見られませんでした。
	慢性静脈不全	中程度	– 研究結果を見る	慢性静脈不全の症状を軽減するです。
	勃起	中程度	高い3件の研究結果を見る	勃起不全の患者の勃起の改善が見られました。
	HDL-C	小さい	中程度 2件の研究結果を見る	HDLコレステロールを上昇させる可能性がありますが、それを裏付けるエビデンスが混在しており、信頼性は不明です。
	総コレステロール	小さい	中程度 2件の研究結果を見る	コレステロールの低下効果が見られるようですが、再現できない結果もあり、信頼性は高くありません。
	nF-kB活性	小さい	– 研究結果を見る	200mgのピコノジェノールを5日間毎日投与したヒトにおいて、nF-kB活性の約15％の低が見られました。
	インスリン	–	– 研究結果を見る
	インスリン分泌	–	– 研究結果を見る
	トリグリセリド	–	– 研究結果を見る	トリグリセリドに有意な変化はありません。

 

副作用

副作用と安全性

ピクノジェノールは、1年以内の1日50mg〜450mgの用量の経口摂取、および7日間までのクリーム、または6週間までの粉末、として肌への塗布は安全とされています。 めまい、胃の問題、頭痛、口内炎、口臭の原因となることがあります。

注意と警告

妊娠と授乳: 初期の研究は、ピクノジェノールの妊娠後期での使用は安全なことが示唆されています。 しかし、更に妊娠中の安全性に関する研究が進むまでは、慎重に使用するべきです。

授乳中の安全性に関する信頼できる情報が十分ではありません。 安全のため使用を控えましょう。

子供: ピクノジェノールの短期間に経口服用は安全とされています。

多発性硬化症（MS）、狼瘡（全身性エリテマトーデス：SLE）、関節リウマチ（RA）、またはその他の「自己免疫疾患」: ピクノジェノールは免疫系を更に活性化させ、自己免疫疾患の症状を増強する可能性があります。 何らかの症状をお持ちの場合は、ピクノジェノールの使用を避けることをお勧めします。

出血: 出血性症状を持つ人の出血のリスクを高める可能性があります。

糖尿病: 糖尿病患者の血糖値を下げる可能性があります。

肝炎: 肝炎を持つ人の肝機能を悪化させる可能性があります。

手術: 血液の凝固を遅らせ、血糖を下げる可能性があります。手術中に伴い、出血や低血糖を起こす可能性があります。 予定された手術の少なくとも2週間前に使用を中止してください。

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

40-60mgの範囲の用量でも長期間にわたって有効であると指摘されていますが、ピクノジェノールの標準用量は100-200mgの範囲内のようです。研究によれば、1日2回の服用（1日の分量を2回に分けて朝食と夕食に服用）でも、1日1回の朝食時の服用のどちらでも効果的と示されており、どちらが良いかを調べるための比較研究は行われていません。通常、食事と同時に服用されていますが、絶対条件ではないようです。

また、それぞれの症状について下記のように科学的な研究が行われています。

成人

経口服用:

• アレルギー: アレルギーの5週間前から、50mgのピクノジェノールが1日2回使用されています。
• 喘息: 体重1ポンド(453g)当たりピクノジェノール1mg（最大200mg /日）を2回に分けて1ヶ月間服用しました。 また、同じ抽出物50mgを1日2回6ヶ月間服用されました。
• 運動能力: 100〜200mgのピクノジェノールが1〜2ヶ月間毎日使用されています。
• 血流の問題: 45〜360mgのピクノジェノールが3-12週間3回に分けて毎日服用されました。
• 精神機能の改善: ピクノジェノール150mgが3ヶ月間服用されました。
• 網膜疾患: 50mgのピクノジェノールが1日3回2ヶ月間服用されました。

子供

経口摂取:

• 喘息: 体重1ポンド(453g)当たりピクノジェノール1mgが、6〜18歳の小児および青年に3ヶ月2回に分けて服用されています。

科学的根拠・参考文献