グッグル(ググル)[Commiphora Mukul]は南アジアに生育するアーユルヴェーダで使用されてきた植物です。活性物質のググルステロンは、甲状腺機能の改善の科学的な裏付けは不十分で、脂肪の燃焼などのダイエットには効果が無いことが示されています。
コンテンツ
概要
重要な効果・情報
グッグルは有効成分のググルステロンを含む、インド、バングラデシュ、パキスタンなどに生育するアーユルヴェーダの植物です。紀元前600年頃のアーユルヴェーダのテキストには、アテローム性動脈硬化症の治療に推奨されており、伝統的に、高血圧、肝機能障害および肥満などの病気の治療に使用されてきました。甲状腺活動を増加させる作用が宣伝されることがありますが、サプリメントで摂取されるような用量ではこのような作用は起こりません。また、血中コレステロールレベルやトリグリセリドを低下させる抗コレステロール効果が示唆されていますが、研究によると善玉コレステロールが減り、悪玉コレステロールが増えている可能性が示唆されているため、注意が必要です。また、抗炎症作用や抗酸化作用を示す化合物のため、健康のために摂取されていますが、よく宣伝されているような脂肪燃焼などには効果がないようです。いくつかのタイプのニキビの赤みや腫れを減少させる効果が示されています。
適応・効果
適応情報
有効性の信頼度(中)
- ざ瘡(ニキビ): グッグルの経口摂取は、顔、胸部、背部(結節性嚢胞性座瘡)に及ぶ重度のニキビの治療において、抗生物質のテトラサイクリンと同等の効力が示されています。 どちらの治療でも、痛み、腫れ、およびにきびの発生が減少します。スキンケアサプリ
効果がない可能性(中)
- 体重減少: 一部の研究は、運動と低カロリー食と一緒に、グッグル、リン酸、ヒドロキシクエン酸、およびL-チロシンの組み合わせて服用すると体重が減少することを示唆していますが。 しかし、他のほとんどの研究は、グッグルを単独で服用しても体重や肥満の人に影響を与えないことを示唆しています。減量サプリ: 脂肪燃焼サプリ:
エビデンス不足
- 高コレステロール血症: グッグルがコレステロールに及ぼす影響についての相反するエビデンスがあります。 3000-6000 mgのグッグルを毎日摂取しても、トリグリセリドや総コレステロールなどの血中脂質を低下させたり、HDL(善玉)コレステロールを増加させないようです。 しかし、グッグルは、コレステロール値が高い被験者のコレステロール値が低下したという研究もあるため結論は出ていません。コレステロール抑制サプリ:
- 変形性関節症: 初期の研究は3.5%ググルステロンを含む500mgのグッグルを毎日3回服用すると、変形性関節症の人の痛みを改善する可能性があることを示唆している。関節サプリ
- 関節リウマチ: 初期の研究では、3000mgのグッグルを毎日4ヶ月間服用すると、慢性関節リウマチの症状が改善する可能性が示唆されています。関節サプリ
効果まとめ
効果まとめ表
効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。
レベル | 研究の質と量
? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります. |
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二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。 | |
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。 | |
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。 | |
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。 |
研究の質と量
? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります. |
研究対象 | 効果の大きさ
? それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています. |
研究の整合性
? 科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています. |
摘要 |
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HDL-C | 小さい | 中程度 2件の研究結果を見る |
グッグルの補給による減少が見られるものもありましたが、有意な影響を与えない可能性も示唆されています。
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LDL-C | 小さい | 中程度 2件の研究結果を見る |
有意な影響を与えない可能性も示唆されていますが、グッグルの補給によってLDLコレステロールが増加する可能性があります。
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総コレステロール | 小さい | 中程度 2件の研究結果を見る |
有意な影響を与えない可能性も示唆されていますが、総コレステロールが低下する可能性があります。また、LDL-C(悪玉)が増加し、HDL-C(善玉)が減少する可能性があり、好ましくない可能性があります。
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トリグリセリド | – | 非常に高い 2件の研究結果を見る |
グッグルのトリグリセリドに対する有意な影響は見られませんでした。
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vLDL-C | – | – 研究結果を見る |
vLDLのコレステロールレベルに対する有意な影響は見られませんでした。
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変形性関節症の症状 | 小さい | – 研究結果を見る |
変形性関節症に関連する症状が減少する可能性があります。
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副作用
副作用と安全性
グッグルは、適切に経口服用された場合、ほとんどの人にとって安全とされています。 最大24週間が臨床試験で安全に使用されています。 いくつかの研究では、最大75週間の長期使用でも安全性の問題は示唆されませんでした。グッグルを経口服用すると、胃の不調、頭痛、吐き気、嘔吐、軟便、下痢、げっぷ、しゃっくりなどの副作用を引き起こす可能性があります。 また、発疹やかゆみなどのアレルギー反応を引き起こす可能性もあります。 これらの副作用は、例えば1日あたり6000mgなどの高用量で起こりやすくなる傾向があります。 あまり一般的ではありませんが、グッグルの服用で落ち着きの無さ、不安、筋肉組織の崩壊が起こる可能性も指摘されています。
注意と警告
妊娠と授乳: 妊娠中の服用は安全でない可能性が高いです。 月経を促して子宮を刺激する可能性があるため、危険である可能性が指摘されています。 授乳中にグッグルを使用することの安全性については十分に分かっていません。 妊娠中や授乳中の方は、グッグルを使用しないでください。
出血性障害: グッグルは血液凝固を遅らせ、出血性疾患の人々に出血や挫傷を引き起こす可能性があります。
高コレステロール: グッグルは、高コレステロールの人のLDL(悪玉)コレステロールレベルを増加させる可能性があります。
乳癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜症、子宮筋腫などのホルモン感受性症状: グッグルは体内でエストロゲンのように作用する可能性があります。 エストロゲンによって悪化する症状がある場合は、グッグルを使用しないでください。
手術: グッグルは、手術中や手術後に出血リスクを高める可能性があります。 予定された手術の少なくとも2週間前にグッグルの使用を中止してください。
甲状腺機能低下症または甲状腺機能亢進症: グッグルはこれらの治療を妨げる可能性があります。 甲状腺の症状がある場合は、医師に相談してグッグルを使用するかどうかを判断してください。
注意事項
相互作用
強い相互作用
下記の組み合わせを避けてください。
- エストロゲンエストロゲンの副作用を増加させる可能性があります。エストロゲンピルには、結合型ウマエストロゲン、エチニルエストラジオール、エストラジオールなどがあります。
中程度の相互作用
下記の組み合わせに注意してください。
- 避妊ピル一部の避妊薬にはエストロゲンが含まれています。 避妊薬には、エチニルエストラジオール、レボノルゲストレル、エチニルエストラジオール、ノルエチンドロン、などがあります。
- ジルチアゼムグッグルを摂取すると、体が吸収するジルチアゼムの量が減る可能性があります。 ジルチアゼムと一緒にグッグルを服用すると、ジルチアゼムの有効性が低下する可能性があります。
- 肝臓で変化する薬物(シトクロムP450 3A4(CYP3A4)基質)いくつかの薬は肝臓で変化し、分解されます。グッグルは、肝臓が特定の薬を分解する速度を速める可能性があります。 肝臓で分解される薬と一緒にグッグルを取ると、薬の有効性が低下する可能性があります。 肝臓によって変化する薬を服用している場合は医師に相談してください。肝臓で変化する薬には、ロバスタチン、アトルバスタチン、ケトコナゾール 、イトラコナゾール、フェキソフェナジン、トリアゾラム、など多くの薬が該当します。
- 抗凝固剤・抗血小板剤グッグルは血液凝固を遅らせる可能性があります。血液凝固を遅らせる薬には、アスピリン、クロピドグレル、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ダルテパリン、エノキサパリン、ヘパリン、ワルファリンなどが含まれます。
- プロプラノロールグッグルは体が吸収するプロプラノロールの量を減らす可能性があります。 プロプラノロールと一緒にグッグルを取ると、プロプラノロールの有効性が低下する可能性があります。
- タモキシフェン特定の種類の癌は、体内のホルモンの影響を受けます。 エストロゲン感受性癌は、体内のエストロゲンレベルによって影響を受ける癌です。 タモキシフェンは、このような癌の治療や予防に使用されます。 グッグルは体内のエストロゲンレベルに影響を与える可能性があります。 体内のエストロゲンに影響を与えることでタモキシフェンの有効性を低下させる可能性があります。 タモキシフェンを服用している場合はグッグルを摂取しないでください。
- 甲状腺ホルモングッグルは体内の甲状腺ホルモンを増加させる可能性があります。 甲状腺ホルモン剤と一緒に服用すると、甲状腺ホルモンの効果や副作用が増加する可能性があります。
その他の名称
- ググル、グガル、ムクルミルラの木、ググルステロン、プレグナ-4,17-ジエン-3,16-ジオン、インドゴムの木(Indian bdellium-tree)、Commiphora mukul 、 Commiphora Wightii
注意点
- グッグルは、水溶性および脂溶性の両方の成分があります。生理活性物質のググルステロンは脂溶性です。
- 皮膚の過敏症は、グッグルおよびググリピッドの使用に関連しているようです。
服用方法
推奨用量、有効量、その他の詳細
グッグルエキスの一般的な用量は400-500mgを1日3回摂取して合計1,200-1,500mgです。2,000mgを使用する例もあります。単離されたググルステロンの場合は、25mgの用量を1日3回、食事と一緒に使用されています。また、グッグルガムを1日2-4.5g摂取する場合もあります。グッグルを食事と一緒に摂取する必要があるかどうかは不明ですが、通常食事と一緒に摂取することが勧められています。
下記の用量が科学的な研究で使用されました。
成人
経口服用:
- 重度の結節性嚢胞性座瘡:ググルステロンを25mg含むググルを1日2回服用しています。