過剰摂取は危険？葉酸(ビタミンB9)の効果・副作用の科学的レビュー・口コミ

概要

重要な効果・情報

葉酸はビタミンB9とされる必須ビタミンですが、栄養補助食品としてよく知られています。葉酸は、植物由来のほとんどの食品に低レベルで見られ、一部の国では小麦を強化して葉酸を高レベルで含んでいます。食品中に含まれるのは基本的には葉酸塩(folate)であり、葉酸(falic acid)は合成して作られます。葉酸は遺伝物質のDNAの生産や多くの身体機能に関連する物質で、新生児の成長や成人のメチル化のプロセスにおいて不可欠な役割を果たすビタミンです。

適応・効果

適応情報

有効性の信頼度(非常に高い)

• 葉酸欠乏症: 葉酸を摂取すると葉酸欠乏症が改善されます。

有効性の信頼度(高)

• 深刻な腎疾患: 重度の腎臓病を患っている人々の約85％が高レベルのホモシステインを持っています。 高レベルのホモシステインは、心臓病や脳卒中を引き起こす可能性があります。 葉酸を摂取すると、重篤な腎臓病の人のホモシステイン濃度が低下します。 しかし、葉酸の補給は心臓病に関連したリスクを減らすわけではないようです。ホモシステイン
• 高ホモシステイン血症: 高レベルのホモシステインは、心臓病や脳卒中を引き起こす可能性があります。 葉酸を摂取すると、ホモシステイン濃度が正常から軽度に上昇した人のホモシステイン濃度が20％から30％低下します。 ホモシステインレベルが11μmol/ L以上の人は、葉酸とビタミンB12を補給することをお勧めします。 脳卒中: 心疾患:
• メトトレキサートの有害作用(嘔気、悪心)の軽減: 葉酸を服用すると、メトトレキサート治療の副作用の悪心や嘔吐を軽減するようです。 吐き気
• 先天異常（神経管欠損症）: 妊娠中の葉酸の摂取は神経管の先天性欠損症のリスクを軽減します。 妊娠中の女性は、妊娠の1か月前から妊娠中に、1日あたり600〜800mcgの葉酸を食事やサプリメントから摂取することをお勧めします。 神経管の先天性欠損症の既往歴のある妊婦は、1日当たり4000 mcgの葉酸を摂取することをお勧めします。

有効性の信頼度(中)

• 加齢性視力低下（加齢黄斑変性）: 葉酸をビタミンB6やビタミンB12などの他のビタミンと一緒に摂取すると、加齢に伴う視力低下のリスクが減少することが研究によって示されています。
• うつ状態(うつ病):  限られた研究では、抗うつ薬と一緒に葉酸を服用すると、うつ病の人の症状が改善されるようです。
• 高血圧症:  研究は6週間葉酸を毎日摂取することが高血圧の人の血圧を下げることを示しています。 しかし、血圧の薬と一緒に葉酸を服用しても、血圧の薬だけの服用以上に血圧を下げるわけではないようです。血圧サプリ:
• フェニトインによる歯肉への問題: 歯茎に葉酸を塗布すると、フェニトインによる歯茎の問題を予防できることが示されています。 しかし、葉酸を経口摂取しても症状が改善するわけではないようです。
• 妊娠性歯肉炎: 歯茎に葉酸を塗布すると、妊娠中の歯周病を改善することが示されています。
• 脳卒中:  葉酸を摂取すると、穀物製品に葉酸を添加していない国の人の脳卒中のリスクを10〜25％減らすことが示されています。 しかし、穀物製品に葉酸を添加する国の人には脳卒中の予防に有意な差異は見られません。脳卒中のリスク
• 白斑と呼ばれる皮膚の変色障害: 葉酸を経口摂取すると、白斑の症状が改善されるようです。白斑の症状

効果がない可能性(中)

• 白血球のがん（急性リンパ性白血病）: 妊娠中に葉酸を摂取しても、白血球の小児がんのリスクは減少しないことが示唆されています。
• 貧血・鉄欠乏症: 鉄を含むサプリメントと一緒に葉酸を摂取しても、葉酸を含まない鉄サプリメントの摂取と比べて、体内の鉄欠乏症や貧血の治療・予防に有意な差異はないことが示されています。
• 高齢者の記憶力や思考力: ほとんどの研究は、葉酸を摂取しても高齢者の記憶力や思考力の低下を防ぐことができないことを示しています。記憶力サプリ:
• 血管形成術後の血管の再閉塞防止: 血管拡張手術の後に葉酸を摂取することの利点については矛盾するエビデンスがあります。 しかし、葉酸とビタミンB 6およびビタミンB 12を服用すると、血管を開いた状態に保つためにデバイス（ステント）が血管に挿入された場合に、実際に治癒を妨げる可能性があります。
• 乳癌:  食事で葉酸を摂取すると、メチオニン、ビタミンB12（シアノコバラミン）、ビタミンB6（ピリドキシン）も大量に摂取する女性の乳がん発症リスクを低下させる可能性がありますが、研究は一貫していません。 他の研究は、葉酸サプリメントを単独で摂取しても乳がんのリスクが低下しないことを示唆しています。
• 心疾患: ほとんどの研究によると、葉酸を単独または他のビタミンB群と一緒に摂取しても、心臓病患者の死亡や心臓病に関連したリスクは軽減されないようです。
• 白内障:  ビタミンB 6やビタミンB 12などの他のビタミンと一緒に葉酸を摂取しても白内障の予防には効果がないことが研究によって示されています。反対に、白内障を摘出する必要が生じる可能性を高める可能性があります。
• 慢性疲労症候群:  葉酸を毎日注射しても慢性疲労症候群の症状には効果がないようです。
•  栄養失調に伴う下痢症: 特定の栄養補助食品を葉酸とビタミンB 12を加えて摂取しても、栄養失調の危険がある小児の下痢を防ぐことはできません。 反対に、服用することで下痢が数日以上続く可能性があります。下痢
• 転倒防止: 葉酸をビタミンB12と一緒に摂取しても、ビタミンDを摂取している高齢者の転倒の予防に影響を与えないようです。
• 胎児および乳児の早期死亡(死産児): 妊娠中に葉酸を摂取しても、出産の直前または直後に乳児が死亡する危険性は減少しないようです。
• ロメトレキソールによる毒性: ロメトレキソールによる毒性には効果がないようです。
• 下気道感染症(急性気管支炎): 葉酸とビタミンB12を添加した特定の栄養補助食品を摂取しても、栄養失調の危険がある小児の肺の感染症を防ぐことはできないようです。
• 骨粗鬆症: 骨粗鬆症の高齢者が葉酸とビタミンB 12やビタミンB 6（ピリドキシン）を摂取しても骨折の予防には効果がないようです。骨強化サプリ
• 高齢者の能力: 葉酸をビタミンB-12と一緒に摂取しても、高齢者の歩行や手の力には効果はないようです。

効果がない可能性(高)

• 直腸腺腫: 葉酸サプリメントを摂取しても、大腸や直腸における腫瘍の成長を予防できるわけではないようです。
• 脆弱X症候群という遺伝性疾患：葉酸を経口摂取しても、脆弱X症候群の症状は改善されません。
• 未熟児(低出生体重児): 妊娠中に葉酸を摂取しても、未熟児を産むリスクは低下しないことが示されています。

エビデンス不足

• ざ瘡(ニキビ): 限られたエビデンスは、ビタミンB 3（ナイアシン）、穀物から単離された化合物（アゼライン酸）、銅、葉酸を含む製品が、顔のにきびに関連する炎症を軽減することを示唆しています。抗炎症サプリ
• アルツハイマー病:  限られたエビデンスは、推奨される食事許容量（RDA）よりも多くの葉酸を摂取する高齢者は、葉酸消費の少ない人よりもアルツハイマー病を発症するリスクが低いことが示唆されています。
• 自閉症:  限られた研究では、妊娠中に葉酸を摂取すると、子供の自閉症のリスクを減らす可能性があることが示唆されています。
• ベータサラセミア:  ベータサラセミアは、血液中の酸素を運ぶタンパク質であるヘモグロビンの産生を減少させる血液の異常です。 ベータサラセミアの患者は通常、骨と筋肉に痛みがあり、強度が低下します。 限られた研究では、この疾患の小児は、葉酸を単独またはL-カルニチンなどの化合物と一緒に摂取すると、骨痛を軽減し、強度を高めるのに役立つ可能性があることが示唆されています。筋肉サプリ:骨強化サプリ:
• 双極性感情障害: 葉酸を摂取しても、双極性障害の人のリチウムの抗うつ効果は改善されないようです。 しかし、バルプロ酸と一緒に葉酸を摂取すると、バルプロ酸の効果が改善されることが示唆されています。
• 子宮頚癌:  食事やサプリメントによって、チアミン、リボフラビン、ビタミンB 12と一緒に、葉酸の摂取量を増やすと、子宮頸がんの予防に役立つ可能性があるというエビデンスがいくつかあります。
• 長期の腎疾患（慢性腎臓病、CKD）: 葉酸を摂取すると、CKD患者の腎機能低下を遅らせるのに役立つ可能性があります。 しかしビタミンB12（シアノコバラミン）と一緒に使用されても効果がなく、この組み合わせは腎臓病を悪化させる可能性があります。
• 大腸癌(直腸癌・結腸癌):  研究では、食事中に葉酸を摂取することで、結腸がんまたは直腸がんが発生するリスクが低カウルことが示唆されています。 しかし、食事中に葉酸や葉酸塩を摂取しても同様の効果を示唆していない研究もいくつかあります。 葉酸は直腸癌よりも結腸癌の予防に役立つ可能性があり、特定の種類の結腸癌には更に効果が高まる可能性があります。
• 糖尿(糖尿病):  葉酸サプリメントを摂取しても、糖尿病患者には効果がないようです。
• てんかん: 葉酸を摂取してもてんかん患者の発作は軽減されないようです。
• 食道癌: 研究はより多くの葉酸を食事で摂取することが食道癌の発症リスクを低下させることを示唆しています。
• フェノフィブラートによる血中ホモシステインの上昇: 一日おきに葉酸を摂取すると、フェノフィブラートによる血中のホモシステイン濃度を下げる可能性があります。
• 胃癌:  研究によると、葉酸の摂取が特定の種類の胃癌を起こすリスクを示唆しています。
• 痛風:  初期の研究は、葉酸が痛風のリスクを減らす可能性があることを示唆しています。
• 頭頚部癌:  食事からより多くの葉酸を摂取すると、頭頸部がんのリスクが低下することが示唆されています。
• 難聴: 聴覚消失:  血中の葉酸が低レベルの人は、成人の突然の難聴のリスクと関連していることが示されています。 いくつかのエビデンスは、葉酸レベルが低い高齢者が、3年間毎日葉酸を服用すると張力の低下が遅くなることを示唆しています。 葉酸の補給が、正常な葉酸レベルを持つ人の難聴を減らすかどうかは不明です。
• 男性不妊症:  いくつかの研究は、葉酸と硫酸亜鉛を毎日摂取することで、精子数が少ない男性の精子数を増やすことができることを示唆しています。妊娠力サプリ: 精子数
• 低出生体重児: 妊娠中に葉酸を摂取しても、一部の胎児の低出生体重の予防には効果がありませんが、出生時体重の全体的な平均は増加するようです。 また、いくつかの初期の研究が、妊娠する前に葉酸を摂取することが、満期で出生しても体重の少ない新生児を出産するリスクを低下させる可能性を示唆しています。 このリスクは、赤ちゃんが妊娠した後に摂取し始めても効果がない可能性があります。体重
• 癌: 肺癌:  ほとんどの人の葉酸レベルの低下と肺がんの間に関係はないようです。
• 皮膚癌(黒色腫): 初期の研究は、葉酸を摂取することが黒色腫のリスクを減らす可能性があることを示しています。
• 胸痛治療薬の改善: いくつかのエビデンスは、葉酸を摂取しても胸痛の治療薬（硝酸塩）には効果がないことが示唆されています。
• 唇裂:  妊娠中に葉酸を摂取すると、唇裂のリスクが低下することを示唆する研究がありますが、他の研究では効果が無いとするものもあります。
• 膵癌:  毎日食事で280 mcg以上の葉酸を摂取することは、膵臓がんを発症するリスクを低下させることを示す研究がありますが、他の研究は、葉酸摂取が膵臓癌リスクに影響を与えないことを示唆しています。
• 末梢神経障害(糖尿病性ニューロパチー): 糖尿病（糖尿病性ニューロパチー）を持つ人の神経痛における葉酸の役割については矛盾するエビデンスがあります。 葉酸をビタミンB6（ピリドキシン）やビタミンB12と一緒に摂取すると神経痛の症状が改善され、患者の幸福度を改善することを示唆する研究があります。 しかし、神経の機能が改善するわけではないようです。
• 癌: 咽頭癌:  限られた研究では、食事やサプリメントから葉酸を摂取すると、特定の種類の中咽頭癌の予防に効果がある可能性が示唆されています。
• 子癇前症): 子癇前症は、妊娠中の高血圧や尿中タンパクの増加が特徴です。 限られた研究では、妊娠中に葉酸サプリメントを摂取しても子癇前症のリスクが軽減されないことが示唆されています。血圧サプリ
• 妊娠中の高血圧症: 限られた研究では、妊娠中に葉酸を摂取しても高血圧のリスクは減少しないことが示唆されています。血圧サプリ
• 下肢静止不能症候群（レストレスレッグス症候群； RLS）: 葉酸を摂取すると、下肢静止不能症候群の症状を軽減することが示されています。 研究者たちは、葉酸欠乏症が下肢静止不能症候群を引き起こすかどうかを研究しています。
• 統合失調症:  特定の遺伝子構成を持つ一部の患者にとっては、葉酸とビタミンB12の組み合わせを服用すると、統合失調症に関連する症状のいくつかを軽減する可能性がありますが、ほとんどの人にとっては葉酸は効果がないようです。
• 鎌状赤血球症: 葉酸を摂取することはホモシステイン濃度を下げる可能性があります。 しかし、これが鎌状赤血球症の人に効果があるかどうかはわかっていません。
• アルコール依存症:
• 肝疾患:

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

レベル	研究の質と量 ? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.
	二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
	2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
	二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
	上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。

研究の質と量 ? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.	研究対象	効果の大きさ ? それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.	研究の整合性 ? 科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.	摘要
	うつ病	小さい	非常に高い 2件の研究結果を見る	限られたエビデンスは、うつ病症状のわずかな減少を示唆しています。
	統合失調症の症状	小さい	– 研究結果を見る	1つの小規模な研究では、メチルフォレートを使用した場合、葉酸欠乏症の人の統合失調症の症状の減少が見られましたが、特定の遺伝子構成を持つ人にしか効果がない可能性があります。

副作用

副作用と安全性

葉酸は適切に経口摂取したり体内に注射したりする場合はほとんどの人にとって非常に安全です。 ほとんどの成人は1日1000 mcg未満の用量で使用しても副作用はありません。

葉酸は、大量に長期的に経口摂取された場合、安全でない可能性があります。 高用量の葉酸は、腹部のけいれん、下痢、発疹、睡眠障害、過敏性、錯乱、悪心、胃のむかつき、行動の変化、皮膚反応、発作、ガス、興奮などの副作用を引き起こす可能性があります。

葉酸を長時間摂取し続けると、重篤な副作用を引き起こす可能性があるという懸念があります。 ある研究では、葉酸を800-1200mcgの量で長期間服用すると、心臓に問題がある人の心臓発作のリスクが高まることが示唆されています。 他の研究は、これらの高用量で服用すると肺癌や前立腺癌などの癌のリスクも増加する可能性があることを示唆しています。

注意と警告

妊娠と授乳: 妊娠中や授乳中に適切に経口摂取される場合、葉酸は非常に安全です。 1日300〜400 mcgの葉酸を摂取することは、先天異常を防ぐために妊娠中に一般的に使用されています。

狭窄した動脈を拡張する手術(血管形成術): 葉酸、ビタミンB 6、ビタミンB 12を静脈内（IV）または経口で使用すると、動脈の狭窄が悪化する可能性があります。 この手術からの回復を待つ人は葉酸を使用するべきではありません。

癌: 初期の研究では、毎日800〜1000 mcgの葉酸を摂取すると、がんのリスクが高まる可能性があることが示唆されています。 十分な検証が行われ安全の確認が取れるまで、癌の既往のある人は高用量の葉酸を避けるべきです。

心疾患: 初期の研究では、葉酸とビタミンB6を併用すると、心臓病の既往歴のある人の心臓発作のリスクが高まることが示唆されています。

ビタミンB12欠乏症による貧血: 葉酸を摂取すると、ビタミンB 12欠乏症による貧血の発見が遅れ、適切な治療を遅らせる可能性があります。

発作性疾患: 葉酸サプリメントを服用すると、特に高用量で発作性疾患を持つ人の発作を悪化させる可能性があります。

科学的根拠・参考文献