ベータアラニン(β-アラニン)は体内でカルノシンに変換されるアミノ酸で、体内で酸緩衝して乳酸の生成を抑えることで筋持久力を改善する作用が示されています。また、ベータアラニンは除脂肪体重を増加させる作用を持ち、カルノシンは、抗酸化作用や抗老化作用を持つ可能性が示唆されています。

概要

重要な効果・情報

ベータアラニンは、ベータアラニンは非必須アミノ酸です。ベータアラニンは、アラニンの一種で筋肉の持久力を強化することが示されています。多くの人がベータアラニンを服用することで8-15回1セットの反復トレーニングを服用していないときと比べて1~2セット増加できることが報告されています。また、ベータアラニンの補給によって、ボートやスプリントなどの中程度から高強度の心臓血管運動のパフォーマンスを改善することも示唆されています。その他にも、除脂肪体重の増加や高齢者の身体機能の改善が示唆されています。

ベータアラニンを摂取すると、体内で酸緩衝液として働く分子のカルノシンに変換されます。カルノシンは細胞内に貯蔵され、pHの低下に応答して放出されます。カルノシンの貯蔵量が増加することで、例えば例えばケトーシスにおけるケトン産生から生じるpHの低下を防ぎ、運動による乳酸の産生から筋肉を保護することができます。ベータアラニンの大量投与は、紅潮やヒリヒリ感の副作用を起こす可能性がありますが、無害な副作用とされています。

適応・効果

適応情報

有効性の信頼度(中)

  • 身体能力:  いくつかの研究によると、ベータアラニンを摂取すると、特に高強度の運動や筋力トレーニング中の身体能力のいくつかが改善されることが示されています。ベータアラニンサプリメントは、高齢者の身体的能力を改善し、筋肉疲労を遅らせる可能性が示唆されています。これにより転倒のリスクを低下させる可能性があることが期待されていますが、現時点では結論は出ていません。他の研究では、β-アラニン、クレアチン、アルギニン、α-ケトイソカプロン酸塩、ロイシンを含む製品の摂取が筋力トレーニングを行う男性の除脂肪体重および体力を増加させる可能性を示しています。しかし、すべての研究結果がβ-アラニンの身体能力への効果を示しているわけではなく、相反する結果も出ています。このような結果は参加者が少数であったり、用量や用法、併用する運動プログラム、参加者の違いによるものと考えられています。脂肪サプリ疲労感: 筋疲労:

エビデンス不足

  • ほてり(ホットフラッシュ): 初期の研究では、ベータアラニンの服用は更年期の女性のホットフラッシュの軽減に、ベラリプリドほど効果的ではないことが示唆されました。

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

レベル 研究の質と量

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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。
研究の質と量

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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

研究対象 効果の大きさ

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それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.

研究の整合性

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科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.

摘要
筋肉耐性 小さい 非常に高い 8件の研究結果を見る
唯一のメタ分析では、60-240秒の運動における筋持久力が中央値2.85%向上したことを示しています。
短距離走能力 小さい 高い 3件の研究結果を見る
心肺機能の改善というよりは、筋持久力の増加と疲労の軽減によるものと考えられる短距離走能力の向上が見られています。
疲労 小さい 高い 7件の研究結果を見る
疲労の軽減に軽度の効果があり、疲労するまでの時間も改善しています。
筋力 非常に高い 5件の研究結果を見る
筋力には有意な影響はありません。
VO2 Max 中程度 5件の研究結果を見る
VO2 maxに対する影響は非常に信頼性が低く、現時点では有意なものではないと考えられています。
脂肪質量 小さい 非常に高い 2件の研究結果を見る
いくつかの研究では、体脂肪量の減少効果が示唆されています。
リーンマス 小さい 非常に高い 3件の研究結果を見る
ベータアラニンで筋肥大が起こるようですが、補給の直接的な効果か、体重の改善によるものかは不明です。また、効力はそれほど顕著ではありません。
コルチゾール 研究結果を見る
成長ホルモン 研究結果を見る
テストステロン 研究結果を見る

 

副作用

副作用と安全性

ベータアラニンは、短期間適切に経口服用する場合は安全とされています。 ベータアラニンの適度な用量の摂取による副作用は報告されていません。 高用量では、紅潮やひりひり感が起こる可能性があります。

注意と警告

妊娠と授乳: 安全性に関する信頼できる情報は十分ではありません。安全のため使用を控えましょう。

注意事項

相互作用

相互作用に関する情報はありません。

その他の名称

  • β-アラニン、β-アラニン、カルノシン前駆体

混同しやすいもの

  • L-アラニン、L-カルニチン

注意点

  • 過度に過剰に摂取すると、無害なうずき(感覚異常)が生じます。

分類カテゴリー

良い組み合わせ

悪い組み合わせ

  • タウリン ( 効果が競合する可能性があります )

確認事項

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

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1日の標準用量は2-5gです。ベータアラニンは運動前のサプリメントとして一般的な成分ですが、補給による効果は補給のタイミングには依存しないようです。ベータアラニンの大量摂取は、ヒリヒリ感を生みだす可能性があります。この副作用は基本的には無害とされており、時間と共に解消されるようですが、用量をへらす(0.8~1g)か服用を分割することで回避できます。

下記の用量が科学的な研究で使用されました。

経口服用:

  • 身体能力の改善:特定のβ-アラニン製品を毎日3.2-6.4グラム摂取しています。

科学的根拠・参考文献