主な薬効は、(1) 内分泌系に対する作用 1) プロラクチン分泌抑制作用 2) 乳汁分泌抑制作用 3) ゴナドトロピン分泌に及ぼす影響 4) 成長ホルモン分泌抑制作用 (2) 中枢神経系に対する作用 1) 常同行動の誘発作用 2) 回旋運動誘発作用 3) レセルピンに対する拮抗作用 4) 抗振戦作用 5) ドパミン代謝回転率に及ぼす影響 です。

商品名

一般的名称 商品名 製造元 薬価 添付文書
ブロモクリプチンメシル酸塩錠 アップノールB錠2.5mg 高田製薬株式会社 67円 (2.5mg1錠)
ブロモクリプチンメシル酸塩製剤 パドパリン錠2.5mg 寿製薬株式会社 47円 (2.5mg1錠)
ブロモクリプチンメシル酸塩錠 パーロデル錠2.5mg サンファーマ株式会社 110円 (2.5mg1錠)
ブロモクリプチンメシル酸塩錠 ブロモクリプチン錠2.5mg「フソー」  扶桑薬品工業株式会社 47円 (2.5mg1錠)
ブロモクリプチンメシル酸塩 ブロモクリプチンメシル酸塩錠2.5mg「アメル」 共和薬品工業株式会社 データ無し
ブロモクリプチンメシル酸塩錠 ブロモクリプチン錠2.5mg「トーワ」 東和薬品株式会社 データ無し
ブロモクリプチンメシル酸塩錠 ブロモクリプチン錠2.5mg「TCK」 辰巳化学株式会社 データ無し
ブロモクリプチンメシル酸塩錠 ブロモクリプチン錠2.5mg「TCK」 日医工株式会社 データ無し
ブロモクリプチンメシル酸塩錠 ブロモクリプチン錠2.5mg「TCK」 富士フイルムファーマ株式会社 データ無し
ブロモクリプチンメシル酸塩錠 ブロモクリプチン錠2.5mg「TCK」 日本ジェネリック株式会社 データ無し
ブロモクリプチンメシル酸塩錠 ブロモクリプチン錠2.5mg「F」 富士製薬工業株式会社 データ無し

禁忌

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
本剤の成分又は麦角アルカロイドに対し過敏症の既往歴のある患者

2.
妊娠高血圧症候群の患者〔産褥期における痙攣、脳血管障害、心臓発作、高血圧が発現するリスクが高い。〕

3.
産褥期高血圧の患者(2.の項参照)

4.
心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕

効果・効能

一般的名称: ブロモクリプチンメシル酸塩錠;

効能又は効果

末端肥大症

下垂体性巨人症

乳汁漏出症

産褥性乳汁分泌抑制

高プロラクチン血性排卵障害

高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)

パーキンソン症候群

関連する疾病:

産褥性乳汁分泌抑制, 高プロラクチン血症, パーキンソン症候群, 下垂体性巨人症, パーキンソン病, 乳汁分泌抑制, 乳汁漏出症, 下垂体腺腫, 排卵障害, 巨人症

用法及び用量

末端肥大症

下垂体性巨人症

通常、ブロモクリプチンとして1日2.5mg〜7.5mgを2〜3回に分けて食直後に経口投与する。

なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

乳汁漏出症

産褥性乳汁分泌抑制

高プロラクチン血性排卵障害

高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)

通常、ブロモクリプチンとして1日1回2.5mgを夕食直後に経口投与し、効果をみながら1日5.0〜7.5mgまで漸増し、2〜3回に分けて食直後に経口投与する。

なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

パーキンソン症候群
通常、ブロモクリプチンとして1日1回1.25mg又は2.5mgを朝食直後に経口投与から始め、1又は2週毎に1日量として2.5mgずつ増量し、維持量(標準1日15.0〜22.5mg)を定める。1日量はブロモクリプチンとして5.0mgの場合は朝食及び夕食直後に、7.5mg以上の場合は毎食直後に分けて経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

臨床成績

一般的名称: ブロモクリプチンメシル酸塩錠;

臨床成績


1.
産褥性乳汁分泌の抑制

分娩又は流・早産後に乳汁分泌の抑制を希望する婦人99例を対象として、本剤5mg/日を14日間投与し、二重盲検法により、乳汁分泌、乳房緊満感及び血中プロラクチンの抑制効果をプラセボと比較した結果、本剤の有用性が確認された。

2.
乳汁漏出症、高プロラクチン血性排卵障害及び下垂体腺腫
Chiari-Frommel症候群、Argonz-del Castillo症候群、下垂体腺腫等の乳汁漏出・排卵障害の婦人253例に本剤5〜7.5mg/日を投与した。

(1) 乳汁漏出症
乳汁漏出症における乳漏停止は53.7%(116/216)、乳漏減少は34.3%(74/216)、計88%に改善が認められた。

(2) 高プロラクチン血性排卵障害
無排卵症例における排卵率は76.7%(165/215)、不妊症例における妊娠率は45.3%(78/172)であった。

(3) 高プロラクチン血性下垂体腺腫
下垂体腺腫50例において、乳汁漏出に対する有効率76.7%(33/43)、排卵率54.0%(27/50)及び妊娠率43.2%(16/37)であった。

3.
末端肥大症(先端巨大症)、下垂体性巨人症
末端肥大症(先端巨大症)及び下垂体性巨人症99例に本剤1日1回2.5mgを初回量とし、維持量7.5mg/日を基準として長期投与した。本剤投与により血中成長ホルモンの低下とともに発汗、糖尿病症状、頭痛頭重感、手足のしびれ感、軟部組織の縮小並びに顔貌及び高血圧症状の改善がみられた。

4.
パーキンソン症候群
パーキンソン病を主とするパーキンソン症候群患者において本剤1日1回1.25mg又は2.5mgを初回量とし、維持量15〜22.5mgを目安として投与した。臨床効果は無動、固縮、振戦等の症状及びYahrの重症度により判定し、74.2%(316/426)の改善率が得られた。

また、パーキンソン症候群の患者を対象とした二重盲検比較試験により有用性が確認された。

副作用

一般的名称: ブロモクリプチンメシル酸塩錠;

副作用

産褥性乳汁分泌の抑制、乳汁漏出症、排卵障害及び下垂体腺腫3,418件のうち、何らかの副作用がみられたのは578件(16.9%)であった。主なものは悪心・嘔気411件(12.0%)、嘔吐159件(4.7%)、便秘86件(2.5%)等の胃腸症状、めまい88件(2.6%)、頭痛・頭重感45件(1.3%)等の精神神経症状及びけん怠感56件(1.6%)等であった。

末端肥大症(先端巨大症)及び下垂体性巨人症534件のうち何らかの副作用がみられたのは164件(30.7%)であった。主なものは嘔気・嘔吐52件(9.7%)、便秘44件(8.2%)、悪心17件(3.2%)、胃部不快感12件(2.2%)、食欲不振10件(1.9%)等の胃腸症状、めまい・ふらつき12件(2.2%)、頭痛10件(1.9%)等の精神神経症状であった。

パーキンソン症候群5,212件のうち何らかの副作用がみられたのは978件(18.8%)であった。主なものは悪心・嘔気・嘔吐433件(8.3%)、食欲不振128件(2.5%)、胃部不快感57件(1.1%)、便秘39件(0.7%)、口渇31件(0.6%)等の胃腸症状、幻覚・妄想145件(2.8%)、ジスキネジア106件(2.0%)、めまい・ふらつき60件(1.2%)、頭痛・頭重感57件(1.1%)等の精神神経症状、立ちくらみ36件(0.7%)等の循環器症状であった。

重大な副作用

1.
ショック、急激な血圧低下、起立性低血圧(頻度不明)
急激な血圧低下、起立性低血圧により悪心・嘔吐、顔面蒼白、冷汗、失神等のショック症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、昇圧等の適切な処置を行うこと。

2.
悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
発熱、意識障害、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、血清CK(CPK)の上昇等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。

3.
胸膜炎、心膜炎、胸膜線維症、肺線維症(頻度不明)
胸水、心膜液、胸膜炎、心膜炎、胸膜線維症、肺線維症があらわれることがあるので、胸痛、呼吸器症状等があらわれた場合には、速やかに
胸部X線検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。

4.
心臓弁膜症(頻度不明)
心臓弁膜症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、心雑音の発現又は増悪等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査、心エコー検査等を実施すること。心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。

5.
後腹膜線維症(頻度不明)
後腹膜線維症が報告されているので、観察を十分に行い、背部痛、下肢浮腫、腎機能障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。

6.
幻覚・妄想、せん妄、錯乱(頻度不明)
幻覚・妄想、せん妄、錯乱があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。

7.
胃腸出血、胃・十二指腸潰瘍(頻度不明)
胃腸出血、胃・十二指腸潰瘍の発現又は胃・十二指腸潰瘍の悪化がみられることがあるので、このような場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

8.
痙攣、脳血管障害、心臓発作、高血圧(頻度不明)
痙攣、脳血管障害、心臓発作、高血圧等が報告されているので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

9.
突発的睡眠(頻度不明)
前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1.
過敏症
(0.1%〜5%未満) 
発疹

2.
精神神経系
(頻度不明) 
傾眠、錯感覚

3.
精神神経系
(0.1%〜5%未満) 
興奮、不安感、不眠、頭痛、ジスキネジア

口渇、鼻閉

4.
精神神経系
(0.1%未満) 
気力低下状態、衝動制御障害(病的賭博、病的性欲亢進)、耳鳴

5.
(0.1%〜5%未満) 
視覚異常

6.
(0.1%未満) 
霧視

7.
肝臓
(0.1%〜5%未満) 
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇

8.
肝臓
(0.1%未満) 
ALPの上昇

9.
循環器
(頻度不明) 
夜間に脚の痙攣及び寒冷による可逆性の指趾の蒼白、頻脈、徐脈、不整脈

10.
循環器
(0.1%〜5%未満) 
めまい、立ちくらみ、動悸、血圧低下、起立性低血圧、胸部不快感、浮腫

11.
循環器
(0.1%未満) 
顔面潮紅

12.
消化器
(5%以上) 
悪心

13.
消化器
(0.1%〜5%未満) 
嘔吐、便秘、食欲不振、胃痛・腹痛、胃部不快感、胸やけ、腹部膨満感、下痢

14.
消化器
(0.1%未満) 
口内乾燥

15.
泌尿器
(0.1%未満) 
尿失禁症

16.
その他
(0.1%〜5%未満) 
貧血、けん怠感

17.
その他
(0.1%未満) 
頭髪の脱毛、帯下の増加、しびれ感、呼吸困難、疲労

注1)このような場合には投与を中止すること。

注2)このような場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

注3)観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止すること。

注意事項

一般的名称: ブロモクリプチンメシル酸塩錠;

貯法・使用期限等

貯法

遮光し、室温保存

開封後は遮光し、湿気を避けて保存すること

使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害等の著明な
末端肥大症(先端巨大症)及び下垂体性巨人症の患者〔この様な患者では手術療法が第一選択となる。〕

2.
下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害等の著明な
高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者〔長期投与により腺腫の線維化が起こることがある。また、腫瘍の縮小にともない、髄液鼻漏があらわれたり視野障害が再発することがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)

3.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

4.
肝障害、又はその既往歴のある患者〔本剤は主として肝臓で代謝される。また、肝機能障害が報告されている。〕

5.
消化性潰瘍、又はその既往歴のある患者〔胃・十二指腸潰瘍の悪化がみられたとの報告がある。〕

6.
レイノー病の患者〔レイノー症状の悪化がみられたとの報告がある。〕

7.
精神病、又はその既往歴のある患者〔精神症状の悪化がみられたとの報告がある。〕

8.
重篤な心血管障害、又はその既往歴のある患者〔外国において心臓発作、脳血管障害等があらわれたとの報告がある。〕

9.
腎疾患、又はその既往歴のある患者〔急激な血圧低下があらわれた場合、腎血流量が低下するおそれがある。〕

重要な基本的注意

1.
著しい血圧下降、前兆のない突発的睡眠、傾眠があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。

2.
本剤投与は、
少量から開始し、血圧、血液学的検査等の観察を十分に行い慎重に維持量まで増量すること。

3.
乳汁漏出症や高プロラクチン血性排卵障害では、投与開始前に、
トルコ鞍の検査を行うこと。

4.
トルコ鞍底を破壊するように発育したプロラクチン産生下垂体腺腫の患者において、本剤投与により腺腫の著明な縮小がみられた場合、それに伴い
髄液鼻漏があらわれることがあるので、このような場合には、適切な処置を行うこと。

5.
視野障害のみられるプロラクチン産生下垂体腺腫の患者に投与する際には、本剤投与により腺腫の縮小がみられ、一旦、
視野障害が改善した後、トルコ鞍の空洞化により視交叉部が鞍内に陥入することによって、
再び視野障害があらわれることがある。定期的に
視野検査を行い、異常が認められた場合には、減量等による腫瘍再増大の危険性を考慮しつつ、適切な処置を行うこと。

6.
*産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には、死産や母親のHTLV-1又はHIV感染等の医学的に必要な患者にのみ投与すること。(氷罨法等により乳汁分泌抑制が可能である場合には投与しないこと。)

7.
産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には、場合により氷罨法等の補助的方法を併用すること。

8.
産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には、
分娩後、呼吸、脈拍、血圧等が安定した後、投与すること。また、投与中(特に投与初日)は観察を十分に行い、血圧上昇、頭痛、中枢神経症状等があらわれた場合には、直ちに投与を中止すること。

9.
レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
婦人への投与

(1)
本剤を長期連用する場合には、プロラクチン分泌が抑制され、婦人科的異常が起こる可能性があるので、定期的に一般的な婦人科検査を実施すること。(「その他の注意」の項参照)

(2)
妊娠を望まない患者には避妊の方法を指導すること。

(3)
妊娠希望の患者に本剤投与中は、妊娠を早期に発見するため定期的に妊娠反応等の検査を実施すること。

(4)
高プロラクチン血性排卵障害で本剤の投与中に妊娠が確認された場合は、直ちに投与を中止すること。なお、下垂体腺腫のある患者では妊娠中に下垂体腺腫の拡大が起こることがあるので、本剤中止後も観察を十分に行い、腺腫の拡大を示す症状(頭痛、視野狭窄等)に注意すること。

2.
妊婦への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕

3.
授乳婦への投与

(1)
授乳を望む母親には本剤を投与しないこと。〔本剤は乳汁分泌を抑制する。〕

(2)
本剤は母乳中へ移行することは認められていない。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

その他の注意

1.
動物実験(ラット)で、長期大量投与により、子宮腫瘍を起こした例があるとの報告がある。

2.
末端肥大症(先端巨大症)、下垂体性巨人症、高プロラクチン血性下垂体腺腫の診断・治療については、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考にすること。

相互作用

相互作用

本剤は、肝代謝酵素CYP3A4で代謝され、またこれを阻害するので、本酵素の活性に影響を及ぼす薬剤と併用する場合には注意して投与すること。

併用注意

(併用に注意すること)

1.
薬剤名等 交感神経刺激剤(アドレナリン等)

麦角アルカロイド(エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン)

臨床症状・措置方法
血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれるおそれがある。特に産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には分娩後、呼吸、脈拍、血圧等が安定した後、用量に注意して投与すること。

機序・危険因子
機序は明確ではないが、本剤はこれらの薬剤の血管収縮作用、血圧上昇作用
に影響を及ぼすと考えられる。

2.
薬剤名等 降圧作用を有する薬剤

臨床症状・措置方法
降圧作用が強くあらわれることがある。服用開始初期には特に注意すること。

機序・危険因子
本剤は末梢交感神経終末のノルアドレナリン遊離を抑制する。

3.
薬剤名等 アルコール

臨床症状・措置方法
胃腸系の副作用やアルコール不耐性を起こすことがある。

機序・危険因子
相互に作用が増強されるため。

4.
薬剤名等 フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン等)

ブチロフェノン系薬剤(ハロペリドール、スピペロン等)

イミノジベンジル系薬剤(カルピプラミン等)

非定型抗精神病剤(ペロスピロン、ブロナンセリン等)

メトクロプラミド

ドンペリドン

臨床症状・措置方法
相互に作用を減弱することがある。

機序・危険因子
本剤はドパミン作動薬であり、これらの薬剤とドパミン受容体において競合的に拮抗する。

5.
薬剤名等 抗パーキンソン剤(レボドパ、チオキサンテン系薬剤等)

臨床症状・措置方法
精神神経系の副作用が増強されることがある。

機序・危険因子
相互に作用が増強されるため。

6.
薬剤名等 シクロスポリン

タクロリムス

臨床症状・措置方法
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

機序・危険因子
CYP3Aに対する競合的阻害によりこれらの薬剤の代謝が阻害される。

7.
薬剤名等 マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、ジョサマイシン等)

HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、サキナビル等)

アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール等)

臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子
CYP3Aに対する競合的阻害により本剤の代謝が阻害される。

8.
薬剤名等 オクトレオチド

臨床症状・措置方法
本剤のAUCが上昇したとの報告がある。

機序・危険因子
機序は不明である。