主な薬効は、1.抗腫瘍効果 2.エストロゲンレセプターとの結合能 です。

商品名

一般的名称 商品名 製造元 薬価 添付文書
タモキシフェンクエン酸塩錠 タモキシフェン錠10mg「サワイ」/タモキシフェン錠20mg「サワイ」 沢井製薬株式会社 データ無し
タモキシフェンクエン酸塩錠 タモキシフェン錠10mg「サワイ」/タモキシフェン錠20mg「サワイ」 日本ジェネリック株式会社 データ無し
タモキシフェンクエン酸塩錠 タモキシフェン錠10mg「日医工」/タモキシフェン錠20mg「日医工」 日医工株式会社 データ無し
タモキシフェンクエン酸塩錠 タモキシフェン錠10mg「MYL」/タモキシフェン錠20mg「MYL」 マイランEPD合同会社 データ無し
タモキシフェンクエン酸塩錠 タモキシフェン錠10mg「明治」/タモキシフェン錠20mg「明治」 Meiji Seika ファルマ株式会社 142円 (20mg1錠)
タモキシフェンクエン酸塩錠 ノルバデックス錠10mg/ノルバデックス錠20mg アストラゼネカ株式会社 322円 (20mg1錠)

禁忌

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

2.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効果・効能

一般的名称: タモキシフェンクエン酸塩錠;

効能・効果

乳癌

関連する疾病:

乳癌・HER2過剰発現, 乳房上内側部乳癌, 乳房下内側部乳癌, 乳房上外側部乳癌, 乳房下外側部乳癌, 乳房中央部乳癌, 乳房境界部乳癌, 乳癌術後後遺症, 乳癌皮膚転移, 非浸潤性乳癌, 乳頭部乳癌, 乳輪部乳癌, 腋窩部乳癌, 異所性乳癌, 炎症性乳癌, 乳癌骨転移, 転移性乳癌, 術後乳癌, 進行乳癌, 多発乳癌, 乳癌再発, 乳癌,

用法・用量

ノルバデックス錠10mgの場合

通常、成人にはタモキシフェンとして1日20mgを1〜2回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増量できるが、1日最高量はタモキシフェンとして40mgまでとする。

ノルバデックス錠20mgの場合

通常、成人には1錠(タモキシフェンとして20mg)を1日1回経口投与する。なお、症状により適宜増量できるが、1日最高量は2錠(タモキシフェンとして40mg)までとする。

臨床成績

一般的名称: タモキシフェンクエン酸塩錠;

臨床成績


1.
国内臨床試験

原発進行並びに再発乳癌患者に対して行った二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められている

二重盲検比較試験及び一般臨床試験における調査例数268例のUICC判定基準による有効率は、完全効果9.0%(24/268)、部分効果21.3%(57/268)、計30.2%(81/268)であった。また軟部組織、骨、内臓等の各転移病巣部位に有効であり、閉経後症例のみならず閉経前症例にも有効である。

2.
外国術後補助療法大規模比較試験
世界21ヵ国で実施した閉経後早期乳癌患者の術後補助療法大規模比較試験において、追跡期間の中央値約47ヵ月時点でのアナストロゾール・タモキシフェン併用群(3,125例)とタモキシフェン群(3,116例)との比較では、無病期間のハザード比1.04(95%信頼区間0.92-1.19、p=0.5)であり、アナストロゾールの併用による追加効果は認められなかった

副作用

一般的名称: タモキシフェンクエン酸塩錠;

副作用

副作用等発現状況の概要

使用成績調査症例3,762例中312例(8.29%)に副作用が報告された。主な副作用は、無月経症、月経異常等の女性生殖器系が3.18%(120/3,762)、悪心・嘔吐、食欲不振等の胃腸系障害が1.51%(57/3,762)であった。(再審査終了時)

重大な副作用

1.
無顆粒球症(頻度不明)、
白血球減少(0.1〜5%未満)、
好中球減少
貧血、血小板減少(0.1%未満):無顆粒球症、白血球減少、好中球減少、また、貧血、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2.
視力異常(0.1〜5%未満)、
視覚障害(0.1%未満):視力異常、また、角膜の変化、白内障、網膜症、網膜萎縮、視神経症、視神経炎、視神経萎縮等の視覚障害があらわれることがあるので、視力低下、かすみ目等があらわれた場合には眼科的検査を行い、異常があれば投与を中止すること。

3.
血栓塞栓症、静脈炎(0.1〜5%未満):本剤の投与により、肺塞栓症、下肢静脈血栓症、脳血栓症、下肢血栓性静脈炎等の血栓塞栓症、静脈炎があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、細胞毒性を有する抗癌剤との併用で血栓塞栓症の危険性を増大させるおそれがあるので、投与にあたっては十分に観察すること。

4.
劇症肝炎、肝炎、胆汁うっ滞、肝不全(0.1%未満):劇症肝炎、肝炎、胆汁うっ滞等の重篤な肝障害があらわれることがある。また、肝不全に至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5.
高カルシウム血症(0.1%未満):骨転移のある患者で投与開始初期に、高カルシウム血症があらわれることがある。

6.
子宮筋腫(0.1%未満)、
子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮内膜症(頻度不明):子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮内膜症がみられることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

7.
間質性肺炎(0.1%未満):間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

8.
アナフィラキシー、血管浮腫(0.1%未満):アナフィラキシー、血管浮腫等の過敏症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

9.
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

10.
水疱性類天疱瘡(0.1%未満):水疱性類天疱瘡があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.
膵炎(0.1%未満):血清トリグリセライド上昇によると考えられる膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1. 肝臓
0.1〜5%未満 
肝機能異常

2. 肝臓
0.1%未満 
脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝炎を含む)

3. 生殖器
0.1〜5%未満 
無月経症、月経異常、性器出血、腟分泌物

4. 生殖器
0.1%未満 
卵巣嚢腫、卵巣嚢胞、陰部そう痒、子宮頸管ポリープ、腟ポリープ

5. 消化器
0.1〜5%未満 
悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛等

6. 精神神経系
0.1〜5%未満 
頭痛、眩暈・めまい

7. 精神神経系
0.1%未満 
不眠、抑うつ状態、感覚異常(錯感覚、味覚異常を含む)

8. 皮膚
0.1〜5%未満 
発疹、発汗、脱毛等

9. 皮膚
0.1%未満 
**皮膚血管炎、皮膚エリテマトーデス、晩発性皮膚ポルフィリン症
、放射線照射リコール反応

10. 筋・骨格系
0.1%未満 
筋肉痛

11. その他
0.1〜5%未満 
ほてり・潮紅、体重増加、浮腫

12. その他
0.1%未満 
骨痛、腫瘍部の疼痛・発赤、倦怠感、疲労、頻尿、高トリグリセライド血症、下肢痙攣

承認時までの国内臨床試験及び使用成績調査で認められなかった副作用については0.1%未満に記載した。

注意事項

一般的名称: タモキシフェンクエン酸塩錠;

使用期限等

貯 法:

しゃ光して室温保存すること

使用期限:

組箱に表示の使用期限内に使用すること

使用期限等

貯 法:

しゃ光して室温保存すること

使用期限:

組箱に表示の使用期限内に使用すること

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

白血球減少あるいは血小板減少のある患者[白血球減少、血小板減少を悪化させるおそれがある。]

重要な基本的注意

1.
本剤の投与により
子宮体癌、子宮肉腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮内膜症がみられることがあるので、本剤投与中及び投与終了後の患者は定期的に検査を行うことが望ましい。また、不正出血等の異常な婦人科学的症状がみられた場合には直ちに検査を行うなど適切な処置を行うこと

2.
本剤は内分泌療法剤であり、癌に対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
外国において、本剤を投与された患者で自然流産、先天性欠損、胎児死亡が報告されており、また、本剤は、動物実験で妊娠及び分娩への影響並びに胎仔への移行が認められているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。治療に際して妊娠していないことを確認すること。また、治療中はホルモン剤以外の避妊法を用いること。

2.
授乳中の投与に関する安全性は確立していないので、授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

1.
海外において、QT間隔の延長、Torsades de pointesの発現が報告されている。

2.
海外の臨床試験で、本剤の投与により対側乳癌以外の二次発癌がみられたとの報告があるが、本剤との関連性は十分明らかにされておらず、評価も確立されていない。(子宮体癌については「重要な基本的注意」の項参照)

3.
ラットで肝腫瘍の発生が認められたとの報告がある。

4.
げっ歯類で遺伝子毒性が認められたとの報告がある。

5.
げっ歯類での生殖試験で卵胞ホルモン(ジエチルスチルベストロール等)と同様の胎仔毒性が認められている。なお、これまでに妊婦への投与症例が少数例報告されているが、それらの症例では本剤が腟や子宮頸部での癌発生の要因となるとの報告はなく、臨床的意義は不明とされている。

相互作用

相互作用

相互作用の概略

本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP2D6により代謝される。(「薬物動態」の項参照)
併用注意

(併用に注意すること)

1.
薬剤名等クマリン系抗凝血剤

 ワルファリン等

臨床症状・措置方法
抗凝血作用が増強することがあるので、抗凝血剤を減量するなど、慎重に投与すること。

機序・危険因子
タモキシフェンがワルファリンの肝臓での代謝を阻害する可能性が考えられている。

2.
薬剤名等リトナビル

臨床症状・措置方法
本剤のAUCが上昇することが予想される。

機序・危険因子
リトナビルのチトクロームP-450に対する競合的阻害作用により、本剤のAUCが上昇することが予想される。

3.
薬剤名等リファンピシン

臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下したとの報告がある。

機序・危険因子
リファンピシンにより、CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される可能性がある。

4.
薬剤名等選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)

 パロキセチン等

臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱するおそれがある。併用により乳癌による死亡リスクが増加したとの報告がある。

機序・危険因子
CYP2D6阻害作用により本剤の活性代謝物の血漿中濃度が低下したとの報告がある。