サリドマイド について

サリドマイド は、中程度-重度の紅斑瘤(ENL)(ハンセン病)による皮膚炎症の治療および予防、 中程度-重度の神経炎症を有する場合、他の医薬品と共に使用されます。 また、特定のタイプの癌(多発性骨髄腫)を有する患者を治療するためにデキサメタゾンと共に使用されます。

サリドマイドは免疫調節剤です。 ENLを有する患者の皮膚炎症を引き起こす特定の物質を減少させるために免疫系に作用します。 癌患者では、癌細胞を殺すのに役立つ特定の体内分泌物が増加すると考えられています。

以下の場合は使用を控えましょう
  • サリドマイドの成分にアレルギーがある
  • 妊娠しているか、妊娠を計画しているか、サリドマイド治療中に妊娠した
  • 妊娠可能であるが2種類以上の有効な避妊方法を行わず男性との性的接触を行っている
  • ナトリウムオキシベート(GHB)を服用している

これらのいずれかが当てはまる場合は、すぐに医師または医療従事者に相談してください。

使用上の注意

サリドマイドはいくつかの症状と相互作用を起こす可能性があります。 特に下記のいずれかに該当する症状がある場合は、医師または薬剤師に相談して下さい。

  • 妊娠、妊娠予定、授乳中の場合
  • 処方薬、一般薬、ハーブ類、栄養補助食品を服用している場合
  • 薬、食品、その他の物質にアレルギーがある場合
  • HIV感染、異常発育や腫瘍、癌、白血球数が少ない、化学療法を受けている場合
  • 生理不順、低心拍、手足のしびれやうずき、血餅、発作またはてんかんの病歴がある場合
  • 飲酒または手術が予定されている場合
  • 精神疾患や気分障害(例: 不安障害、うつ病)の薬を服用している場合
  • 血栓のリスクを高める可能性がある薬を服用している場合。服用中の薬が血栓のリスクを高める可能性があるかどうかわからない場合は、医師または薬剤師に相談してください

いくつかの医薬品はサリドマイドと相互作用する可能性があります。 他の薬、特に次のいずれかを服用している場合は、医療提供者に相談してください:

  • 重度の眠気のリスクが高まる可能性がある医薬品: 抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミンなど)、オピオイド鎮痛薬(オキシコドンなど)、オキシ酸ナトリウム(GHB)
  • 心拍の遅れのリスクが増加する可能性がある医薬品: ジゴキシン、H2受容体拮抗薬(例: ファモチジン、シメチジン)、リチウム、三環系抗うつ薬(例: アミトリプチリン)、アルファ遮断薬(例: プラゾシン)、ベータ遮断薬(例: アテノロール)、特定のカルシウムチャネル遮断薬(例: ジルチアゼム、ベラパミル)
  • 血栓のリスクを高める可能性がある医薬品: エリスロポエチン薬(エポエチンアルファなど)、エストロゲンを含む医薬品
  • 神経障害を引き起こす可能性のある他の医薬品: アミオダロン、ボルテゾミブ、シスプラチン、ジスルフィラム、ドセタキセル、メトロニダゾール、パクリタキセル、フェニトイン、ビンクリスチン 服用する薬が神経の問題を引き起こすか不明の場合は医師または薬剤師に確かめてください
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上記は起こりうるすべての相互作用を完全に網羅していない可能性があります。 サリドマイドが服用している他の薬と相互作用するかどうかは、医療従事者に相談してください。 医薬品の服用を開始、停止、変更する前に、医療提供者に確認してください。

用法、用量について

医者の指示に従ってサリドマイドを使用してください。 正確な用量については、医薬品のラベルを確認してください。 正確な用量については、医薬品のラベルを確認してください。

  • 使用上の注意をお読みください。サリドマイドの服用を継続するたびに内容を確認して下さい。
  • サリドマイドは、特別なプログラムによってのみ処方、調剤されます。サリドマイドの使用に関するすべての警告と指示を理解してください。このプログラムやサリドマイドの使用方法に関するご質問は、医師または薬剤師にお尋ねください。
  • サリドマイドをそのまま水で呑み込んでください。飲み込む前に割ったり、粉砕したり、噛んだりしないでください。
  • 夕食を食べた後少なくとも1時間経ってから経口服用してください。
  • 1日1回服用している場合は、医師が特に指示しない限り、就寝時に服用してください。
  • 必要がないのにカプセルを開けたり、取り出したりしないでください。服用する準備ができる直前まで、密閉されたパックにサリドマイドを保管して下さい。開封された薬剤に触れたり肌に触れた場合は、すぐに石鹸と水で洗い流してください。
  • 妊娠可能な女性(24ヶ月以内に閉経が始まった女性も含む)は、性的な活動を行う場合、サリドマイドを服用している間は、少なくとも2つの有効な避妊を実施する必要があります。サリドマイドを使用する前後4週間を含む全期間、このように避妊する必要があります。どのような避妊が有効かつ適切か分からない場合は、医師に相談してください。
  • サリドマイドを服用している男性は、サリドマイドを服用している間と服用後4週間は、妊娠しているか妊娠する可能性のある女性と性的接触を行う場合は、有効なコンドームを使用しなければなりません。精管切除手術を受けた男性もコンドームでの避妊が必須です。
  • 症状がなくなってもサリドマイドを忘れないように全て計画通りに服用してください。
  • サリドマイドの服用を忘れた場合は、できるだけ早く服用してください。次の服用まで12時間以内の場合は、服用を飛ばして、通常の服用計画通り服用してください。一度に2回分服用しないでください。

サリドマイドの使用方法について質問がある場合は、医療提供者にお尋ねください。

安全に関する情報
  • サリドマイドは、眠気、めまい、軽度の頭痛を引き起こす可能性があります。アルコールや特定の薬と服用すると副作用が悪化する可能性があります。サリドマイドは慎重に使用してください。どのような反応があるか分かるまでは、運転や危険な作業を避けてください。
  • サリドマイドを使用している間は飲酒を控えてください。
  • サリドマイドを使用している間に眠気を引き起こす可能性のある薬(睡眠誘導剤、筋弛緩剤など)を使用する前に、医師に確認してください。副作用が強まる可能性があります。眠気を引き起こす可能性のある薬について質問がある場合は、薬剤師に相談してください。
  • サリドマイドは、座ったり立ったりするとめまい、軽度の頭痛、失神の原因となる可能性があります。このような副作用は、アルコール、気温の上昇、運動、発熱によって増加する可能性があります。これらの副作用を防ぐために、特に午前中はゆっくりと座ったり立ったりしてください。また、このような兆候がある場合は座ったり、横になったりしてください。
  • ホルモン避妊薬は、抗生物質や他の特定の医薬品と一緒に服用するとうまくいかない場合があります。抗生物質(ペニシリン、アモキシシリン、アンピシリンなど)、カルバマゼピン、HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビルなど)、グリセオフルビン、モダフィニル、フェニトイン、リファブチン、リファンピン、セントジョンズワートを服用している場合は、医師に相談して下さい。これらのいずれかを用いた治療を必要とする女性は、サリドマイドを使用している間、ホルモン避妊薬以外の形態の避妊方法少なくとも2種類実施することができない場合は、性交を避ける必要があります。
  • サリドマイドを服用中及び服用後4週間以内に、血液、精液、精子を寄付しないでください。
  • サリドマイドは体の感染症に対する抵抗力を低下させる可能性があります。風邪や感染のある人との接触を避けてください。発熱、咽頭痛、発疹、寒気のような感染の徴候に気付いた場合は、医師に相談してください。
  • サリドマイドは神経損傷を引き起こす可能性があり、治療中または治療後に症状があらわれる可能性があります。神経損傷の症状は時間の経過と共にゆっくりと解決することもありますが、場合によっては後遺症が残ることもあります。手、腕、脚、足のしびれ、かゆみ、灼熱感、痛みの症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。
  • 血栓による心臓発作または脳卒中の可能性が高まる可能性があります。胸、腕、首、顎、背中、胃に広がるの痛みや異常な発汗、体調や気分の悪化などの心臓発作の徴候がある場合や、体の半身が大きくなる、視力・ろれつ・平衡感覚の異常、思考の論理性や明確さの異常、ひどい頭痛など脳卒中の徴候がある場合には、すぐに医者に相談してください。
  • ひどい皮膚反応(スティーブンス・ジョンソン症候群/有毒な表皮壊死)が起こり、後遺症が残ったり、死に至る可能性もあります。皮膚の発赤・腫れ・水ぶくれ・剥離、目の充血やかゆみ、口・喉・鼻・目の痛みがある場合は、発熱の有無にかかわらず、すぐに治療を受けてください。
  • サリドマイドを服用している癌患者の中には、腫瘍溶解症候群(TLS)と呼ばれる重篤かつ命に関わる症状を発するリスクがあります。失神、排尿の減少、筋肉の衰弱または痙攣、吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振、脱力感、心拍の上昇、不整脈などの症状が現れた場合は、すぐに受診して、質問や懸念事項について医師に相談してください。
  • 医療または歯科医療、救急医療、手術を受ける前に、医師または歯科医師に、サリドマイドを服用していることを伝えて下さい。
  • サリドマイドを使用している間、血液細胞数、妊娠検査、神経検査などの検査を行うことがあります。また HIV陽性の患者は定期的にウイルス量を測定する必要があります。検査は、症状を監視したり、副作用をチェックしたりするために行われます。医師と相談しながら実施して下さい。
  • 高齢者には注意してサリドマイドを使用してください。特に不整脈、便秘、疲労、吐き気、低血中カリウム、血栓、高血圧、および衰弱などの副作用を受けやすい可能性があります。
  • サリドマイドは、12歳未満の小児に使用する場合は注意が必要です。子供への安全性と有効性の確認が必要です。
  • 妊娠中および授乳中:妊娠している場合は、サリドマイドを使用しないでください。重度の先天異常や胎児の死亡を引き起こす可能性があります。妊娠したかもしれない、生理が来ない、異常な月経出血がある、避妊をしなかったなどの場合は医師に受信しましょう。サリドマイドを使用中に妊娠した場合は、生殖毒性について経験のある産婦人科医に相談してください。この薬が母乳に流入するかどうかは分かっていません。サリドマイドを服用している間は母乳を与えないでください。
副作用

すべての薬は副作用の原因となることがありますが、多くの場合、副作用がないか、あった場合でも軽微です。 下記の一般的な副作用のいずれかが持続したり煩わしい場合は、医師に相談してください。

便秘、 下痢、 めまい、 眠気、 口や皮膚の乾燥、 頭痛、 消化不良、 軽い頭痛、 食欲低下、 軽度の筋肉や関節の痛み、 吐き気、 疲れ、 睡眠障害、 衰弱

下記の重大な副作用が発生した場合は、すぐに医師の診察を受けてください。

重度のアレルギー反応(発疹、 蕁麻疹、 かゆみ、 呼吸困難、 胸苦しさ、 口、 顔、 唇、 喉舌の腫れ、 声の異常)、 手、 足、 腕、 脚、 口や唇の周りの灼熱感、 しびれ、 痛み、 うずき、 排尿量の異常、 暗色尿、 性的能力の低下、 眼の痛み、 失神、 心拍の異常、 不整脈、 発熱、 悪寒、 咽頭痛、 聴力損失やその他の聴覚変化(例: 耳鳴り)、 気分または精神的変化(例: 激しい怒り、 不安、 うつ)、 口の痛みや腫れ、 筋肉痛、 衰弱、 痙攣、 発作、 重度の持続性のめまい、頭痛、 重度の持続性の悪心、 嘔吐、 下痢、 食欲不振、 深刻な疲労、 自殺願望や自殺試行、 手・ 足首・ 足の腫れ、 振戦、 異常な打撲や出血、 異常な発汗、 異常な体重変化

上記は起こり得る副作用を全て網羅していない可能性があります。 副作用に関する質問がある場合は、医療従事者にお問い合わせください。